社内報のつくりかた
社内報担当者であれば「社内報がちゃんと読まれているか?」「社内報がコミュニケーション活性化に貢献しているか?」は、業界・業種に関係なく社内報担当者に共通している課題です。そして、「社員に読んでもらえる社内報にはどんな企画やネタがよいのか?」という問題に日々悩んでいる人も多いのではないでしょうか?社内報がマンネリ化しないよう、社員に興味をもって読んでもらえる新しい企画やネタはないか模索している担当者もいるはずです。
今回は、社内報発行の目的・編集方針・コンセプトを再確認し、ネタの探し方やアイデアの出し方について考えていきましょう。
社内報を発行するうえで、毎回担当者を悩ませるのは「どのような記事を載せるべきか?」という問題です。もちろん、経営トップからのメッセージ・社内行事の報告・人事異動・お知らせといった定例記事のほか、新入社員紹介など毎年必ず掲載する特集記事もあるかもしれません。会社の出来事を記録しておくことも社内報の大切な役割のひとつですが、毎年同じような記事ばかりになってしまっていませんか?
そうは言っても社内報で紹介できそうな会社のイベントも数が限られているので、なかなかページが埋まらない…というのが実情かもしれません。社内報の企画やネタは「どこからどうやって情報を集めれば良いのかわからない」という担当者も少なからずいるはずです。
そこで、まず原点に立ち返り「社内報の発行目的は何か?自社の編集方針・コンセプトはどんなものか?」を改めて考えてみましょう。
どんなポリシーで社内報を発行しているのか?また、それぞれのコーナーや記事の読者層・ターゲットは明確になっているか?今一度、整理して考えてみることが大切です。全社員を対象とした記事だけでなく、新入社員向け・営業職向けなど、ターゲットを絞ったトピックをどれくらい取り扱っているでしょうか?
社内報の難しさは、社員の年齢層・専門分野・勤務地域などが幅広く、読者層が厚いため「多くの社員にとって親しみやすい記事」と「特定のターゲットに向けた記事」とのバランスをいかにして取るかという点にあるといえます。
社内報を通して「誰に、どんなメッセージをどのようにして伝えるのが有効か」を、この機会に社内報担当者間で話し合ってみましょう。
社内報がマンネリ化しがちで、企画のアイデア出しに苦心している場合には、まず社内報の発行目的を再確認したうえで、社内報をじっくり読み返してみてください。世代・ポジション・専門分野によって、関心のあるテーマも異なるはずです。
・企画の意図がはっきりしているか?
・ターゲットとなる読者層に響く内容になっているか?
という観点で社内報の記事をチェックしてみると、これまでに足りなかった視点や「誰(Who)に対して何(What)をどう(How)伝えるべきか」という記事の方向性が見えてくるかもしれません。そして、何を掲載すべきか?あるいは掲載しないか?という情報の取捨選択をすることも重要です。
ターゲットを絞ると読者が限定されてしまうので、社内報の記事に適していないのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、ターゲットが明確でなければ記事の趣旨やポイントがはっきりせず、内容にメリハリがなく、社内報のマンネリ化につながってしまうこともあります。新入社員向けの記事であっても、管理職が読めば若い世代の感覚や考え方を理解するのに役立つなど、世代間の理解やコミュニケーションを深めるきっかけにもなります。
読者層を絞ることで記事の切り口や見せ方を工夫すれば、ターゲット以外の層からも関心を持って読んでもらえます。なぜマンネリ化しているのか?記事のネタが不足してしまうのか?今一度、考えてみましょう。
新入社員向け・管理職向け・営業職向け・エンジニア向けなど読者層を絞ることで、社内報もより多面的な内容にできる可能性が広がります。では、実際にどのようにして企画をまとめていけばよいのでしょうか?
まず、よい企画とは何か?-社内報の編集方針、考え方の軸をしっかり持つということです。
次に、時事ネタや季節ネタといった「旬」の話題かどうか?その時に知っておきたい情報をタイムリーに知らせているか?という情報の早さ(速度)に注目してみましょう。
さらに情報を詳しく丁寧に伝えているかどうかという内容の深さ(深度)、読者にとって親しみやすい言葉や文章で表現できているか、読者との距離感は適切かという近さ(共感度)を意識することが大切です。
企画やネタを探すために、社員にアンケートをとって「社員はどんな情報を知りたいか?」「どんなことに関心があるのか?」「社内報にどんな情報が不足しているのか?」を定期的にリサーチするのもひとつの方法です。その結果、会社の事業やニュースについて、社員がより知りたいこと・わからないことを解消するために役立つ情報をまとめて記事にすることもできます。
また、社員のモチベーションアップにつながるような経験や出来事に注目し、印象に残るエピソードやキーワードから企画を組み立てていく方法もあるでしょう。
社内報のネタは、社内はもちろん社外にもたくさんのヒントがあります。
世の中のトレンドを社内報のネタに取り入れれば、多くの社員に関心を持って読んでもらえそうです。流行語や人気のスポット、売れている本など、会社の外にもたくさんのヒントがあります。実際に街を歩いてみたり、あるいはネットで話題になっているトピックをチェックしてみてはいかがでしょうか?今、流行っている話題は社員にとっても関心が高く、興味をもって読んでもらえる記事になります。
ところで、せっかく思いついた社内報のネタ・企画も、記事にまとめていくうちに「最初のイメージとは違う記事になってしまった…。取材対象から思うようなエピソードが引き出せなかった…」という経験はありませんか?企画の詰めが甘いと伝えたいメッセージが曖昧になってしまうこともあります。
企画の意図が読者に伝わるよう、企画書をフォーマット化して記事作成に必要なポイントをまとめておくと、原稿の執筆もよりスムーズです。アイデアを企画書にまとめて言語化しておけば、取材や情報収集が必要な部分もクリアになります。
企画書をフォーマット化するにあたって、必要な項目を以下に記載するので是非参考にしてみてください。
社内報の記事ネタの探し方、企画の立案方法について考えてきましたが、実際にどんな記事が作れるか、その実例をいくつか紹介していきましょう。
社員の人となりや仕事ぶりを紹介する記事は、多くの社員から共感が得やすく社内報でも人気のあるテーマのひとつです。
入社時のエピソード、新人時代の苦労話、担当業務やプロジェクト紹介などのインタビュー記事を掲載すれば、他の社員のモチベーションアップにもつながります。
部門・部署・事業所・世代を超えた社員どうしの対談は、他の部門や年代への相互理解を深めるきっかけにもなり、毎回異なる部門の社員が登場すればマンネリ化に陥ることもありません。
そのほかにも人気のランチスポットや社員のファッション選手権など、社員の日常にクローズアップした企画も親しみを持って読んでもらえる記事になりそうです。
社内だけでなく、グループ会社・取引先など社外の人も社内報に登場してもらうことで、自社に期待されていることや自社の強みを客観的に知る機会もになります。直接顧客や取引先と接する機会の少ない部門の社員からも興味を持って読まれる記事になるでしょう。
さらに、ダイバーシティ推進・CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)・SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)といった企業が取り組むべき世界的な課題も社内報で取り上げておきたいテーマのひとつです。
CSRやSDGsの概念や目的などをわかりやすく解説したり、自社の取り組みや目標を紹介する記事を継続して掲載すれば、社内への啓蒙を図り社員の意識を高めることができます。記事内容によってはイラストや図・グラフをバランスよく取り入れる、視覚的にもメリハリのきいた誌面になります。
これまでの社内報の内容や企画を全面的に変えてリニューアルをすることも、マンネリ化から脱却する有効な方法です。リニューアルにあたっては、企画内容はもちろんデザインも含め、充分な準備と検討を重ねることが大切になります。これから企業が新たな課題に取り組もうとしている時に社員のモチベーションアップにつながるメッセージを、社内報を通して発信していきましょう。
今回は、社内報のネタに困った時の解決方法について紹介してきました。
社内報のコンセプトや編集方針について再確認しつつ、読者層・ターゲットを明確にし、広い視野で記事のアイデアを出すことが重要です。社員から関心を持って読んでもらえる記事をコンスタントに掲載できるように工夫していきましょう!
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