社内報のつくりかた
はじめに
こんにちは!かわうそです。今回は社内報を制作するうえで必要なコミュニケーションスキルについて考えてみたいと思います。文章力・取材力・デザインの知識・情報収集と分析力・交渉力・マネジメント力などあらゆるスキルが必要とされる社内報の仕事。文章を書いたり、レイアウトを考えるのは好きだけど、交渉したり調整したり、人と話すのが何となく苦手という人も多いのではないかと思います。そして自分は社内報の仕事に向いていないかも・・・と悩んでいる人、特に取材や原稿の依頼やプッシュが億劫でたまらないという人、きっといらっしゃることでしょう。どうしたらもっと仕事がやりやすくなるか、ヒントを探してみたいと思います!
どんな仕事をしていても「相手に気を使わせることなく良い雰囲気をつくれるかどうか」はとても大事です。そして苦手意識を感じていた人も一緒に仕事をしてみたら、意気投合して仲良くなってしまった・・・ということもあるかもしれません。ちょっとしたきっかけから社内外にどんどん人脈が広がっていくと自分の仕事のやりがいや自信にもつながります。気まずい雰囲気を作らない、相手にストレスを感じさせない・・・って、それが簡単に出来たら誰も苦労しないよ!と言われてしまいそうですが、答えは意外とシンプルです。
気まずい雰囲気になるのを避けようと無理に場を盛り上げる必要はありません。良い雰囲気をつくるためには、一緒に仕事する人、インタビューの相手、取材先担当者の状況や気分を察すること、そして相手のトーンやテンポにあわせて聞く、話す、共感するだけで良いのです。相手が退屈と感じているのか、つまらないと感じているのか、緊張しているのか、人と会話するのが苦手で困っているのかを察して、自分が何をしたら良いのか?を考えてみましょう。
おとなしいタイプの人には自分も落ち着いてゆっくりと話す。話すのが好きでノリのよい相手には、いろいろ質問を投げかけてみる・・・相手と自分のテンションをあわせながらお互いにちょうどよい距離感を保ちましょう。では、インタビューや取材・原稿のプッシュ・スケジュール調整など、社内報の仕事を進めるうえでのコミュニケーションについて少し掘り下げて考えてみたいと思います。
取材やインタビューを任された時、取材テーマや取材先、インタビュー相手についてしっかり予習をしておきましょう。事前に情報収集をしておくと、あらかじめ記事全体の構成やストーリーの流れをイメージしながら質問のポイントを整理できるからです。インタビュー中に話の流れが迷走することもなく、説得力のあるわかりやすい記事が書けます。
しかしその一方で予習した知識に縛られすぎないように注意しなければなりません。取材やインタビューが始まったら、一旦予習した情報をリセットしてニュートラルな気持ちで取り組むことも必要です。 なんだか矛盾しているように感じるかもしれませんが、予習をした知識が邪魔をして相手の大事な話を聞きそびれてしまう場合もあります。相手がもっと話したいと思っているのに「あー、それ事前資料に書いてあったな・・・別にこれ以上深堀りしなくても大丈夫そうだな」と判断して次の話題に移ってしまったら、面白いエピソードを聞き逃してしまうことだってあるかもしれません。相手の様子や気分を察しながら会話を進めるのがポイントです。
取材やインタビューではカウンセリングやコーチングでも使われる「傾聴」というテクニックを駆使してみましょう。自分の話をじっくりと興味深く聞いてもらえたら、誰でも気分がよく話ができます。傾聴のテクニックを使って、相手の話のペースにあわせて相槌をうったり、共感しながら驚いたり感心したり表情を変えながら聞く姿勢も、インタビューを成功させるポイントのひとつ。相手から予想以上に面白い話やその人の魅力を引き出せるかもしれません。純粋に共感する、驚く、感動するという素直な気持ちで聞き上手になれば、予習してきた知識をいかして一歩踏み込んだ質問もできます。
もし相手がちょっと絡みづらいタイプの人だった場合はどうしたらよいでしょうか。「あ、この人、苦手だな」と思った瞬間、不思議なもので無意識にそういうシグナルを相手に発しているかもしれません。そんな時は必要最低限の質問だけしてインタビューを早く切り上げようと焦らず、ゆっくりと構えましょう。これは私の失敗談でもありますが、ちょっと気難しくプライドが高いタイプの人を取材した時、なかなかインタビューがうまくできず、何とかこれで記事にできるだろうとサクっと話を済ませてしまいました。しかし、いざ記事にしてみたらボリューム不足で追加取材をしたことがあります。これならその場から逃げずにもっとじっくり話を聞いておけばよかった・・・と反省したものです。
相手がどんな人であっても、まずはきちんと挨拶をして自己紹介、取材の目的やこんな記事を書こうと思っているという趣旨をしっかり、はっきりと説明しましょう。ちょっと気難しいタイプの人でもこちらが真摯に向き合えば、必ず答えてくれるものです。
社内報の仕事をしていて胃がキリキリ痛むのは、依頼した原稿が期日になっても入稿されない時ではないでしょうか。あるいは編集サイドの意図が伝わっていなかったのか、仕上がってきた原稿がちょっと違うテイストだった時はさらに胃がシクシクしてきます。原稿のプッシュや修正依頼をする時も、コツが必要です。相手が返信しやすい内容の文章を書いてメールやチャットで連絡してみましょう。
「お忙しいなか恐縮ですが、今どんな状況でしょうか?」「何かお困りの点はありませんか?」「お時間がかかるようでしたら、遠慮なくご連絡ください」というように、相手が返信しやすいフレーズを入れておくのがポイント。「遠慮なく」「気兼ねなく」「気軽に」自分に相談してほしいというニュアンスで連絡をしてみましょう。スケジュールに余裕が無い時は、とにかく相手の状況を把握するのが一番です。忙しくて原稿を書く時間がなかったのか、原稿の書き方を悩んでいるのか、ここでも相手の状況を察しながら「こんなふうにしてみたらいかがでしょうか?」という一歩進んだ提案ができると良いと思います。
社会人になったばかりの頃は、自分が今までに関わったことのないタイプの人のほうが圧倒的に多いわけで、毎日が緊張の連続です。慣れてしまえば何でもないことでも、人と話すのが苦手な人、内気な人にとって社内報の仕事はプレッシャーを感じてしまうのだろうと思います。しかし苦手分野を減らしていけば、自分の仕事の幅がどんどん広がっていきます。
会社で仕事をしていると、否が応でもやらなければならないシチュエーションに追い込まれる時があります。人は追い込まれると変わるものです。いざとなると苦手意識を持っていたことを克服できる場合があります。
私が以前航空関連企業に勤めていた頃に参加したコミュニケーションスキルの訓練プログラムを紹介しましょう。それは訪問販売員になりきって家庭訪問し、お客様に洗剤を買ってもらうまで自らセールストークを考えて実演するという課題でした。そのロールプレイングを参加者の前で行い、トレーニング参加者どうして批評しあうという内容でした。
まず家庭に訪問したところで断られる→そこをなんとかトークで切り抜ける→玄関に上がらせてもらう→商品の説明をする→また断られる→商品のメリットや値段についてセールストーク→なかなか購入してもらえない→さらにもうワンプッシュ→やっと買ってもらう…というやりとりを台本なしで、その場の即興でロールプレイングをします。
このトレーニングはいったい何の役に立つんだろう?と思いつつ、参加者全員の前でパフォーマンスをするのはかなり恥ずかしかったです。しかし、自分の中で何らかのブレイクスルーが起きたことは事実です。「自分ってここまで人前で役を演じきってみたり、ちょっと強気にグイグイと前のめりなトークもできるんだ・・・」という発見に繋がりました。ある意味、度胸がついたというのでしょうか。航空関連企業ではあらゆるお客様とのやりとりが多く、難しいお客様もたくさんいらっしゃいます。このトレーニングの後、気分的にかなり余裕をもってお客様に向き合えるようになりました。これはかなり荒療治で社内報の仕事とは直接関係ありませんが、どうしてもその場を切り抜けないといけない状況に身をおくことで自分を鍛えるという方法もあります。
ちょっとハードな方法を紹介しましたが、自分では避けて通りがちなことに果敢にチャレンジしてみれば、自分のキャパシティを広げるよいチャンスになります。なんとなく人と話すのが苦手、あんまり関わりたくない…というタイプの人も、恐れずに取材やインタビューに挑戦してみてください。可能であれば取材中のやりとりを録音しておくと自分自身の声のトーンや話し方、スピードなども客観的にチェックできます。自分が思っているよりも暗い雰囲気かもしれませんし、ふつうに話しているつもりでも他人にはボソボソと聞こえるかもしれません。声のハリひとつで相手が受ける印象も随分変わり、取材の現場も明るくなります。
おわりに
社内報の仕事は締め切りだったりアイデア出しなど、日々何かと追い込まれるシチュエーションが多いので、一つずつやり遂げていけば、気づかぬうちにいろんな物事や状況に対処できる力がついてくるように思います。
インタビューなどでも、最初に話しやすい雰囲気づくりをするために何を話してよいかわからないという人も多いと思いますが、「今日はお時間をいただきましてありがとうございます。最近お仕事はお忙しいですか?」とか「ふだんお休みの日はどんなことをしてリフレッシュされているのですか?」といった本当に他愛のない話題で構いません。
沈黙を恐れずに、まずは最初の一声をはっきりと!そして相手の話をしっかりと聞きましょう。最初はちょっと勇気が必要かもしれませんが、少しずつチャレンジしながら社内報の仕事で得たスキルを武器に活躍の場を広げていきましょう。
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