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インナーブランディング

インナーブランディングとは?目的・役割と浸透方法

2020.12.12

2019.02.04

ブランディングには顧客に対して企業や商品の価値を伝えるアウターブランディングと、企業内において社員に企業の価値を浸透させるインナーブランディングの2種類があります。アウターブランディングと比べてインナーブランディングはその目的や価値、必要性について今ひとつよく分からないという人も多いかもしれません。
そこで今回は、インナーブランディングとは何かということや、インナーブランディングで企業の目的や理念を社員に浸透させるための方法について詳しく解説します。

インナーブランディングは社内への浸透

そもそもインナーブランディングとは、会社のブランド理念やビジョン、価値などを社内に向けて理解させ、浸透させていくための啓蒙活動のことです。インターナルブランディングやインターナルマーケティングと呼ばれることもあります。会社のブランドとしての価値観を社内で共有し、ブランドの方向性に社員の意識や行動、サービスを合わせることを目的としています。一方、社外に向けて会社のブランド理念やビジョンなどを浸透させてゆくことをアウターブランディングやエクスターナルブランディングといいます。

企業が成長してゆくためには、売上げを伸ばすためにアウターブランディングを行わなければならないのはもちろんのこと、それと合わせてインナーブランディングも同時に行うとより効果的だといわれています。なぜなら、インナーブランディングがしっかりできていれば、その成果はアウターブランディングにもつながってくるからです。社員一人ひとりの意識が変われば、一つひとつの仕事に対する取り組み方や考え方も変わってきます。仕事に対する取り組み方や考え方が変われば、それは顧客へも伝わることになるからです。長期的に見れば、結果としてインナーブランディングが製品やサービスの品質向上、社員の業務効率向上などに大きな効果を発揮するというわけです。

インナーブランディングは社員に対してだけではなく、商品やサービスが消費者に渡るまでのプロセスに関わるすべての人を対象としています。パートやアルバイトはもちろんのこと、商品を運搬する輸送業や卸し業といった取引先にも会社の企業の価値や理念を理解してもらうことが大切なのです。

インナーブランディングの必要性

インナーブランディングの必要性としてまず挙げられるのは、社員による顧客志向の向上が図れるということです。どのような商品やサービスであれ、それは本来、顧客のためのものです。ブランド価値や理念を理解するということは、そういった根本的なことを再確認することに繋がります。ブランド価値を社員自身がよく理解できるようになれば、それを社外に対して告知発信できるようにもなります。このことは社員が自分のしている仕事に対する誇りややりがいをもつことにも繋がるわけです。

社員がブランド価値や理念を理解していると、自信を持って商品を販売したりサービスを提供したりできるようになります。そうすると、社員の離職率低減に繋げることになるのです。離職率の低い会社では社員教育のためのコストが下がるだけでなく、社員一人ひとりのパフォーマンスが向上します。また、自信を持って顧客に接するベテラン社員が増えることは、顧客からの信頼感が増すことにもつながります。そうすると顧客満足度が上がり、売上げ増加も期待できるでしょう。社員が活き活きと自信を持って働いているということは、アウターブランディングにも大きな効果をもたらすのです。

そのほか、新商品の開発の際に顧客視点に沿った企画を立てやすくなる、といった効果や、社員の意識統一が図りやすくなる、といった効果も期待できます。インナーブランディングが浸透していると、社内のさまざまなことをスムーズに運びやすくなるのです。

理念やビジョンが浸透しないとどうなる?

とはいうものの、インナーブランディングなど必要ないのではないかと思う人もいるかもしれません。もしも理念やビジョンが社内で浸透していなかった場合、一体どのような事態に陥ることが想定されるのでしょうか。

まず、インナーブランディングが行われていないと、社員が自社の方向性や目的を理解することができません。そうすると、営業先で商品やサービスを上手にアピールできないなど、適切な場面で適切な行動ができないということになるかもしれません。また、会社における自分の存在意義が分からず、なぜ自分はこの仕事をしているのか、といった疑問を社員が抱き始めるようになります。そうすると離職率が高まり、せっかく育てた社員がすぐに会社を辞めてしまう、といったことになりかねません。新商品を開発する際にも、顧客目線を理解できていなかったり、会社のビジョンから大きく外れていたりするようなピントのずれた商品の開発に偏ってしまう危険性もあります。

さらに、インナーブランディングが浸透していない会社では共有する理念がないために社員が会社のためではなく、自分だけのために行動するようになりがちです。そうすると社員の意識統一が図りにくく、協調性もなくバラバラな雰囲気になりやすくなってしまうのです。

インナーブランディングの方法

インナーブランディングを効果的に行うにはいくつかの方法があります。まず大切なのは、ミーティングなどを通してこまめに経営陣から社員へと情報を発信していくことです。社内掲示などを利用し、会社の理念やビジョンが社員の目に触れるようにしなければなりません。ただし、この場合に気をつけるべきなのは、どれだけ経営陣が社員に対して意識改革や残業削減などといったことを訴えても、それだけでは現場は変わらないということです。インナーブランディングではトップからの命令で社員が動くのではなく、社員一人ひとりが会社の理念やビジョンに共感することが大切です。そうして社員を巻き込むかたちで実践していく必要があります。インナーブランディングは一方通行では効果がありません。

インナーブランディングの目的の中でも大きなもののひとつが、社内での人間関係を円滑にすることです。そのためにも、SNSなどで情報を発信したり、理念やビジョンを伝達する媒体を利用したりすることが大切です。そうして社員がいつでもそれらを気軽に見られるようにすることで、啓蒙活動が一方通行ではなく社員自身の行動によって浸透していくのです。そうしたことから、インナーブランディングは短期間で効果を期待するのではなく、長期間をかけて会社の空気や社風を変えていこうとする覚悟が必要となります。

社内報を活用してみよう

インナーブランディングの方法にはさまざまなものがありますが、その方法のひとつとして社内報が挙げられます。社内報には紙媒体のものとWeb媒体のものがあります。変化の激しい業界やスピードが求められる業界であればWeb媒体の社内報が望ましいでしょうし、現場がネットにつながりにくい環境の業界や伝統を重んじる業界では紙媒体の方が効果的でしょう。

とはいっても、ただ社内報を作成すれば良いというわけではありません。インナーブランディングの一環として社内報を活用する際には、現在の会社の雰囲気がどうなっているのかを把握しておくことが大切です。そのうえで、社風をどのように変化させたいのかを編集方針に据えることが重要なのです。

社員が気軽に読める社内報であれば、経営陣からの一方通行ではないかたちで社員に会社の理念やビジョンを浸透させたり、社内での社員同士のコミュニケーションに役立てたりすることができます。インナーブランディングに積極的に取り組みたいというのであれば、まずは社内報が活用できないかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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