社内報のつくりかた
目次
社内報は多くの社員に読んでもらうことを目的としています。社内報担当者の大切な仕事のひとつが、読者を飽きさせない企画作りです。しかし、継続的に楽しい企画を生み出すのは大変です。なかなか良い企画が思い浮かばないというときもあるでしょう。社員の興味を引きやすく、手に取ってもらいやすいのが、季節感のある企画や特集です。前もって企画を立てやすく、ネタをストックしておくこともできます。
このコラムでは、社内報の春号にふさわしい企画や特集について解説します。
年度始めである春は、新入社員が入ってくることで社内が一層賑やかになったり、部署の定期異動などが行われたりするなど、1年の中でも変化の多い時期です。社内報でも入社式や歓送迎会といった新年度ならではの社内行事を巻頭企画などに持ってくるといいでしょう。新年度らしい行事を中心にすることで、春らしいリフレッシュ感が出しやすくなります。表紙も新年度にちなんで、例えば桜の木の下を新入社員が出社してくる写真などにすると、内容との親和性が高まります。
社内行事に限る必要はありません。おすすめのお花見スポットや気持ちいい散歩スポットの紹介なども、春には喜ばれやすい企画といえます。あらためて端午の節句の意味を解説するなど、トリビア的なネタもおすすめです。また、卒業式や入学式に関する思い出特集なども、誰にでも読んでもらいやすい企画です。社員の子どもの卒業式や入学式の写真を掲載することで誌面の雰囲気も温かくなるでしょう。
新入社員のインタビュー紹介は、春号にふさわしい王道企画です。多くの企業でも採用されている企画で、社内でも人気があります。入社してきた新入社員の人となりがよくわかるということが人気の理由です。自分の職場に配属されてきた新入社員と話す前に、社内報を読んで趣味や座右の銘などを知っておくことで、スムーズにコミュニケーションできるということもあるでしょう。新入社員の人数にもよりますが、顔写真に加えてできるだけ簡単なプロフィールと配属部署も載せておくと、社内でも覚えてもらいやすくなります。
新入社員の顔写真を効率よく撮影するタイミングは、入社式や配属式の間や後です。配属先の幹部社員が参加していることも多いでしょうから、新入社員と幹部社員を交えた集合写真も併せて撮影しておくと、誌面に一体感が出せます。また、撮影を通じて新入社員と幹部社員との交流が生まれるというメリットもあります。配属された後になると、各職場を回って写真撮影をしなくてはならないので、社内報担当者としては時間調整も含めて大変です。
新入社員のインタビューに加え、社長や役員などの経営トップ陣に、自分の新入社員時代の思い出を語ってもらうことで、企画により深みが出せるということもあります。経営トップ陣に語ってもらう場合は、成功体験よりも失敗談や苦労話のほうが好んで読まれやすい傾向があります。経営陣への親近感が湧きやすくなり、特に新入社員や若手社員にとっては、これから自分も頑張ろうというように、仕事へのモチベーションアップにも繋がるでしょう。
新年度の目標や抱負を紹介する記事も、春号の企画としては適切です。会社全体として、今年度はこういったことに注力していくなどと、新たな経営目標が掲げられることもあるでしょう。あらためて社内報でわかりやすく紹介したり、各部門の社員たちにも自身の目標や抱負を述べたりしてもらうことで、社員のモチベーションアップも狙えます。しかし、こういった真面目な企画の場合は、上手にやらないと固い印象に偏ってしまったり、説教くさくなったりすることもあります。社員に敬遠されないためには、読みやすい工夫をすることが大切です。
イラストを活用して柔らかく見せるというのもひとつの手です。例えば、社員の口元に吹き出しのイラストをつけてその中に目標を書くといった見せ方です。あるいは、業務目標だけでなく、個人的な目標も併せて掲載するのもいいでしょう。「趣味として絵を習い始めます」、「今年から運動を始めて3kg痩せます」などのように、社員の人となりが伝わる目標があると親近感が湧きやすくなります。また、個人的な話題は社内のコミュニケーションを活性化させるきっかけにもなります。
春には、新人歓迎会や花見といったように、社内イベントを行う会社も多いでしょう。事業規模が大きい会社であれば、事業所ごとの社内イベントを行っていることもあるでしょうから、その様子を社内報で紹介するのもひとつの案です。例えば、国内でも関東地区や関西地区といったように、エリアごとに会場の特徴なども含めて紹介すると、記事内容にボリュームも出せ、読み応えのある特集になります。また、海外にも事業所がある場合は、現地のイベント写真を駐在員に提供してもらうといいでしょう。海外のイベントはあまり知られていないものも多いでしょうから、その国特有の文化や風習を周知するよい機会になります。
ページに余裕があれば社内だけでなく一般的な行事や国内外の伝統行事を取り上げてみるのもいいでしょう。その場合、少し深堀してみることが興味を持ってもらうコツです。例えば、海外と国内のエイプリールフールに関する比較記事や、端午の節句などの国内伝統行事のルーツ紹介というような工夫が必要です。またイースターのように日本ではまだあまり認知されていない海外イベントの歴史やルーツなどを紹介するのも面白いでしょう。
春といっても、明るい話題だけとは限りません。5月病といって、季節の変わり目特有の精神症状に悩む人もいます。人事部など、社員の健康管理を担当している部署と連携をとるなどして、5月病を乗り切る対策とポイントなども情報として入れるといいでしょう。産業医がいる場合は、産業医からのアドバイスも織り込むと具体的です。産業医による悩み相談コーナーを設けるという方法もあります。ただし、多くの人が読む社内報では、あまり深刻な内容にはし過ぎないことです。社内報では、簡単にできるセルフケアといった程度の内容にとどめておき、より詳しい相談窓口として、人事や産業医への直通番号などを掲載しておくといいでしょう。
社内報の場合、ひとりで企画から編集まで行っているという場合もあるでしょう。社内報の企画作りに行き詰まったら、リフレッシュも兼ねて外に出て世の中の情報を収集してみるといいでしょう。社内報担当者の場合、もっとも参考になるのは本屋です。良い企画が出てこない場合、社外のプロに企画提案を依頼するという方法もありますが、あくまでそれは奥の手です。まずは本屋を活用して、季節ネタや時事ネタなどのヒントを探してみましょう。次々と新しい雑誌や書籍を紹介している本屋は、トレンドや話題の宝庫です。
市販されている人気雑誌を読んで最新の情報を取り入れたり、よく売れている本の内容を読んだりすることで視野が広がります。自分では思いつかなかったような企画や、斬新な取材切り口などに気付くきっかけが生まれるかもしれません。また、売りたい書籍を本屋がどのようなアピール文で紹介しているのか、キーワードやタイトルのつけ方などもよくチェックすることです。加えて、人気の雑誌はどのような表紙や誌面レイアウトになっているのかを確認しておくことも、今後の社内報作りの参考になります。春は、社内報をリニューアルしたり、新しい企画を立ち上げたりするのにも最適なタイミングでもあります。
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