社内報のつくりかた
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こんにちは!かわうそです。社員のモチベーションアップや離職率を下げるために、社内ポイントを導入・活用する会社が増えています。給与・賞与に直接反映される人事考課制度や目標管理制度ではキャッチアップしきれなかった日頃の小さな取り組みやチャレンジも評価の対象とし、社員のやる気や会社への帰属意識を高めることが社内ポイント制度の大きな目的です。今回は社内ポイントやインセンティブ制度について考えてみたいと思います。
「社内ポイント」というキーワードから、皆さんはどのようなことをイメージしますか?おそらく日常的によく利用している航空会社のマイレージプログラムやショッピングで貯まるポイントを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
ポイント数に応じて特典に交換できたり、優待サービスが受けられるポイントプログラムは、多くの企業が顧客獲得のために実施しているマーケティング手法のひとつです。この10~20年で「ポイント経済圏」は急速に拡大。日本人は「ポイント好き」な国民性だそうで、あるシンクタンクの調査では日本人の90%以上が何らかのポイントを貯めているのだとか…。
顧客向けポイント制度のフレームワークを組織活性化のために取り入れている会社も多く、成功事例も増えていますが、実際にどのように制度を設計し、社内に浸透させていけば良いのでしょうか。日本人にとって馴染みのある「ポイント制度」。社員の会社への帰属意識を高めるためにどんな応用ができるのか、「社内ポイント」や「社内インセンティブ制度」の導入・運用事例を紹介していきましょう。
「社内ポイント」を本格的に導入している企業では、会社の業績に貢献した社員や部署だけでなく、ボランティア活動への参加や勤続年数に応じたポイント付与など導入スタイルや制度の作り方もさまざまです。従業員数の多い会社では、ポイント付与から特典交換まで一括で管理できるシステムを導入し、全社的に運用しているケースもあります。また全社規模でなくても、何らかのインセンティブ制度を取り入れたいと考えている部署や事業所もあるかもしれません。
部署・部門・事業所単位であれば、社員どうしが上司・部下・同僚に「ありがとう」という感謝を伝えやすい環境を作れば、コミュニケーションの活性化につながります。社内のポジションや関係性にとらわれずに、社員同士が互いにリスペクトできる点を褒め合う活動をしている会社もあります。
【事例紹介】
私が勤務していた会社では、社員全員に名刺サイズのカードが配布され、どんなに些細なことでも「ありがとう」の気持ちをカードにコメントを添えて伝えるという習慣がありました。業務とは直接関係なくても「職場の植木が枯れないように手入れをしてくれてありがとう」とか、「いつも感じのよい電話応対に感謝しています」といったことでも、所属や役職に関係なくどんどんカードにメッセージを書いて、専用のポストに投函しておきます。
カードは毎月集計され、仕事に役立つ事例やエピソードは社内報で紹介されたり、本人に感謝状や景品も贈られます。自分宛の「ありがとうコメント」が書かれたカードは毎月必ず手元に届けられるので、小さなことでも誰かのためになることをやっていれば「どこかで誰かがちゃんと自分を見ていてくれる!」という気持ちになれます。業務評価とは直接関係がなくても社員の行動を評価する仕組みができれば、職場の風土や雰囲気も明るく風通しのよいものに変わっていくはずです。誰かから感謝されることで「自己肯定感」も高まり、ハラスメントの起きない職場になります。
社内ポイントを導入する場合は、その制度設計がとても大事です。社員のモチベーションアップにつながることを期待して「とりあえずやってみよう!」と勢いよくスタートしてみたものの、管理や運用が予想以上に大変で制度がうまく機能しないこともあります。「まず始めてみよう!」という場合は期間を短く区切って実施し、どれぐらい効果があるのか、社員に仕組みとして定着するかを見極めるためのトライアル期間を設定しても良いでしょう。
【事例紹介】
コールセンターや飲食店などお客様対応の多い現場ではスタッフの離職率が高く、悩みを抱えているマネージャーも多いのではないかと思います。離職率を下げるための方法として、社内ポイント制度やインセンティブを評価に取り入れているところも増えてきました。コールセンターでは着信が増える繁忙期に応対本数が多かった人やお客様からのお褒めの言葉が届いたスタッフを表彰するなど、成果に応じたインセンティブを付与することで、オペレーターのモチベーションアップを促し、離職率低減に成功している事例もあります。
業務の効率と品質をバランスよく評価する指標をつくることは、スタッフのやる気を引き出すうえでとても重要です。休まずに出勤してはいるがパフォーマンスが芳しくない、あるいは、優秀ではあるが当日休んだりすることが多い…いろいろなタイプのスタッフがいるはずです。頑張りが正しく評価される仕組みができていなければ、インセンティブの効果も薄れてしまいます。精勤手当として◯ポイント、スキル向上に応じて◯ポイント付与というように、業務の性質や項目にわけて指標が明示されていると、スタッフも自身が克服すべきポイントが明確になり頑張れるきっかけにもなります。
通勤時間などのスキマ時間を利用して、スマートフォンでゲームを楽しんでいる人も多いと思います。ゲームの世界では、プレイヤーのレベルやランクが細かく設定され、あるステージをクリアするとボーナスポイントが付与されたり、ゲームを進めるうえで必要なアイテムを獲得できる仕組みになっています。睡眠時間を削ってでもゲームに熱中してしまう仕組みや要素とは一体どこにあるのでしょうか?この仕組みを分析して、ビジネスや研修などに応用するのが「ゲーミフィケーション」という考え方です。
ゲームにもいろいろなジャンルがありますが、ステージをクリアするごとに得られる達成感や充実感。会社がエキサイティングな探求や冒険の場となり、仕事をやり遂げた達成感で心が満たされれば働く意欲も変わってくるかもしれません。社員にとって魅力的な制度を構築し、業務のパフォーマンスを最大化させることがゲーミフィケーション導入のメリットと言えます。
ゲーミフィケーションの手法を社内インセンティブに取り入れるうえで大切なことは4点あります。
(1)達成すべき目的、クリアすべき課題が明確か (2)レベルやランクが適切に設定されているか (3)ランクアップによる達成感が得られる仕組みかどうか (4)自発的に取り組める内容(難易度)かどうかは、社内ポイントやインセンティブ制度を設計する際に十分議論・検証すべきポイントです。ポイント獲得のために、面倒なことを他の人に押し付けたり、他の社員やスタッフにしわ寄せがいくことのないような配慮も必要です。
社内ポイントやインセンティブの付与は、社員のチャレンジ精神を後押しする制度として定着させることが重要です。制度をうまく運用できれば、社内研修や新入社員教育に取り入れることも可能になります。社員は自分が習得すべきスキルは何か?自分自身の5年後、10年後のキャリアパスも考えながら、自分は何をすべきか…具体的なアクションが明確になります。
これから社内ポイントやインセンティブ制度を広めていきたい、立ち上げたいという会社や事業所は社内報で制度の目的や意図をわかりやすく説明し、「自分もチャレンジしてみようかな!」と社員の背中を押すような記事をつくりましょう。
アルバイトや派遣社員がたくさん働いているコールセンター・店舗・工場などの現場では、スキルの向上とあわせて時給がランクアップする制度を採用しているところが多いと思います。昇給制度とあわせて社内ポイントを導入した結果、部署や部門全体のパフォーマンスがどれぐらいアップしたか、離職率がどれぐらい低減したかといった具体的な数字を社内報に明示して、会社としての成果を可視化することで社内全体に制度が浸透し、社員やスタッフの自己発動を促すこともできます。
大切なことは、社内ポイントやインセンティブが一部の限られた人だけにしか利用されていないという状況に陥らないようにすること。制度が浸透すれば、社員やスタッフの成果や行動をよりきめ細かく評価できるようになります。社内報では社内ポイント導入後の社員の意識や行動の変化を丁寧に紹介していきましょう。
人手不足といわれている昨今、社員が仕事を通して達成感・自己肯定感・多幸感を感じられるような職場をいかにして作り上げていくか、社内報を通して問題提起をしていくことで何かが変わるはずです。
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