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社内報のつくりかた

グループシナジーを高める社内報とは?

2023.05.02

2018.03.01

はじめに

こんにちは!かわうそです。

今回はグループ経営を展開している企業のグループ報(社内報)について考えてみたいと思います。グループ経営といってもさまざまなスタイルがありますが、一番の目的はグループシナジーを高め、収益を伸ばすことにあると言えます。しかし、本社部門とグループ企業・子会社との企業文化の違いから、グループ間のコミュニケーションをどのように進めていくべきか、グループ報でどんな工夫をすればよいか悩んでいる方も多いのではないかと思います。グループ経営においてグループ報で出来ること、果たすべき役割とは一体どんなことなのでしょうか?

 

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グループ全体でビジョンを共有し、成長戦略を描きながら企業価値を高めていくために、各会社で発行している社内報とは別に「グループ報」を発行している企業も少なくありません。しかし、本社部門と子会社・事業会社とで意思疎通がなかなかうまくいっていないというケース、意外と多いのではないでしょうか?せっかくグループ報を発行していても、各社のニュースやトピックの紹介がメインでグループ全体の一体感が伝わりにくい、伝えにくい・・・というジレンマを抱えている方もいらっしゃると思います。あるいは本社サイドから発信する情報のウエイトが大きくなってしまいがち・・・という傾向もあるかもしれません。

私もある企業の本社の管理部門に所属していたことがありましたが、国内や海外の支店、グループ企業の社員が、本社のことを揶揄して「ご本社様」と呼んでいたことを思い出しました。支店の人から見るとどうも本社の人間は「上から目線」でモノを言っているように映るそうです。本社サイドからすると全くそんな気はないのですが、会社というところはどうしても「上下」という垂直の関係で物事を捉えてしまいがちです。

グループ報をつくるうえで心がけたいのは、もしグループ会社間にある種の「わだかまり」が存在するのであればそれを解消していくために、どんな記事がふさわしいか?という着眼点です。グループ全体として人事制度も含めて働きやすい会社であるかどうか、モチベーションアップのためには何が必要かということを意識しながら、記事のテーマを決めていくことが大切です。

 

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グループ企業合同の研修やセミナーなどで、日本国内だけでなく海外も含めたグループ企業の社員・スタッフと話をすると、グループ企業間で考え方の相違や会社ごとの特徴(或いはクセといってもよいかもしれません・・・)に驚いたことはありませんか?専門性の高い事業を担当している会社や研究開発部門では、意思決定システムや業務プロセスのあり方、そもそも組織風土が全く違うというケースもあると思います。M&Aなどで新たにグループに入った企業は親会社の方針に合わせる必要があり、これまでとは違ったやり方で仕事を進めなくてはならない場合もあります。

私が以前勤務していた会社では同じグループ企業にホテルがありましたが、その事業が売却され、ホテルの名称やサービスも全てリブランドされました。長年そのホテルで働いていた社員たちは、今まで親しんできた会社への名残惜しさを感じながら、別の企業傘下に入ったことでサービスコンセプトがガラっと変わり、最初はかなり戸惑っていました。これまでとは違う新しいやり方を本社組織から「押し付けられている・・・」と感じる人もいたようです。

仕事や職場の環境がドラスティックに変化する時こそ、業務の進め方や意思決定の仕方、サービスマニュアルについて、なぜそのやり方が合理的なのかを社員がしっかり理解する必要があります。教育や研修の場だけでなく、グループ報を使って、新しくグループ企業の仲間入りをした社員たちにも本社組織の事業コンセプトをわかりやすく伝える工夫はできないでしょうか?グループ企業内の意識格差をなくすこともグループ報の役割のひとつと云えます。

さらに各グループ会社の事業内容や特徴をふまえ、グループの戦略を浸透させるためにはどういう手段がよいか?グループ意識が希薄にならないためにはどんなメッセージが有効か?という視点で、グループ全体の動向や方向性をしっかり把握しておくことも大切です。

 

Business People Office Working Corporate Team Concept

 

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グループ企業内で人材の流動性が高い場合は、異動や出向などで職場が変わった人にインタビューやアンケートを通して取材をしてみるのも一案です。業務プロセスの違い、コスト意識、社員のモチベーションの違いなどを実際に肌で感じている社員の話を聞くことで、本社部門とグループ企業それぞれに求められている情報発信のあり方のヒントが見つかるかもしれません。

海外も含め地域に根ざした事業を展開している場合は、各企業でローカルルールが出来上がっており、本社組織ではなかなかコントロールが難しいという面もあると思います。逆に本社が細かく介入しなくても、その地域だけで良い意味での独立性が保たれ、本社部門との関係性も良好というケースもありえます。ローカルルールのなかにも、事業成長や組織活性化のための良いヒントが隠されている場合があり、異動して別の会社で働いてみると「こんな仕事のスタイルを他の部門にも取り入れてみたら、仕事がより進めやすくなるのでは?」と感じている人もいるはずです。

同じグループ間でも「あの会社はいいよなぁ、ウチとは違って・・・」と隣の芝が青く見えてしまう傾向にありますが、なぜ芝が青く見えているのかの要因を探っていけば自社に足りないものや必要なものが何かが明確になり、業務改革にいかせる可能性があります。日常業務のほんの小さな工夫や気づきであったとしても、グループ報で紹介することで業務に役立つヒントになるかもしれません。

そういったトピックをどれだけ拾えるか、情報収集できるか・・・というところが広報担当者の腕の見せ所でもあるわけですが、個々の部門間だけでなく、グループ企業内や組織間で異動をした人の意見や視点を取り入れることで、グループ報での情報の伝え方・伝わり方も変わってくるはずです。

 

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経営や事業計画といった骨太の企画や記事だけでなく、グループ報には親しみやすく、社員たちの素顔や人柄が伝わるようなコーナーも必要不可欠です。グループ会社間での一体感を醸成するためにも同じグループ内で働く人たちを横軸でとらえて、同じ年齢層、趣味を持つ人たちを会社間の垣根をこえて紹介しても良いと思います。

たとえば多くの会社で毎年春になると新入社員紹介企画をやっていると思いますが、全ての新入社員を統一したフォーマットで掲載するのも一つの方法ですし、スペースだけを割り振ってグループ会社ごとに好きなレイアウトにしてもよいかもしれません。前者はグループ社員としての統一感、後者は各グループの個性や社風がわかりやすく伝わります。

そのほかにも子育てと仕事を両立している社員たち、ランニングやフットサルなど共通の趣味を持つ社員たち、あるいは家族と離れ単身赴任をしている社員たちなど、立場や環境が似ている人たちに、それぞれの所属会社を超えてグループ報に登場してもらいます。また組織・部門・会社の枠組をこえて、グループ企業間の人にリレーエッセーを書いてもらうコーナーも面白いかもしれません。

一つのテーマ性をもった記事にできるだけ同じグループで働く人を登場させることで、グループ全体での一体感を感じることができ、他者への理解や共感も生まれます。自分と同じ共通点があれば親近感もわき、記事も興味を持って読んでもらえるはずです。また、社員のさまざまな一面を紹介することは、グループ企業で働く人々の多様化(ダイバーシティ)を進めるうえでも効果があります。

 

Handsome young man looking at camera and holding hand on chin while working together with his colleagues in office

 

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グループ企業の経営形態もさまざまですが、それぞれの会社の枠を超えて同じビジョンと目標を目指す「共想」、企業価値を高める新しい技術や商品などをつくる「共創」という考え方は、グループシナジーを高めるうえで最近注目されている考え方です。グループ報はこの2つの考え方を浸透させるのに最も適したコミュニケーションツールだと云えます。

グループ企業の最新情報をまんべんなく網羅しているだけでなく、本社組織もグループ会社も積極的に発信しあえるような社内メディアであったり、プラットフォーム(基盤)をつくっていくこと(共創)は、まさに社内広報の仕事です。グループ報の担当者も自社グループの経営戦略やビジョンを理解し、本社組織とグループ企業の両方の立場を考えながら(共想)、最も効果的な方法で情報を発信することが大事です。

 

おわりに
最近「働き方改革」が叫ばれる一方で、AI(人工知能)による仕事の自動化も話題になり、もしかしたら今、自分がやっている仕事がなくなるかも・・・という危機感を抱いている人も多いと思います。グループ経営においても、成長が見込まれない事業から撤退して人員を再配置したり、逆に新しい事業を創出するなど、これからビジネス環境がどんどん変化していくのではないかと思います。

社会環境が変化しつつある今、グループ全体が目指す方向性や戦略を自分の仕事に落とし込んだときに何をすべきか・・・を考えることはとても大切です。グループ報も社員を応援すべく、時代の変化にあわせた内容とスタイルになるように工夫を重ねながらグループシナジーの創出に貢献していきましょう!

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