社内報のつくりかた
2021.03.11
目次
こんにちは!
社内報デザインを外部のデザイナーさんにお願いしている企業も多いと思います。
そのときに、こんな悩みを抱えたことありませんか?
「渡した資料どおりのレイアウトで、デザインに工夫が感じられない!」
「イメージと異なる奇抜なデザインがあがってきて、修正するのに苦労した。」
「期待していたものと何かが違う、けれどうまく説明できない・・・」
せっかくプロのデザイナーに発注をしているのに、これではなんだかガッカリしてしまいますよね。でも実は、依頼をしている皆さん側にも原因があるかもしれませんよ。
ということで、今日は、思い描くデザイン案をあげてもらうための簡単な手法をお伝えしたいと思います。
デザイナーに依頼する時に、よく担当者の方が口にしてしまう言葉があります。
「私たちは、デザインのことはよくわからないから、適当にキレイに、カッコよくしてください。」
実は、この発注の仕方が、一番デザイナーが困ってしまいます。
デザインには絶対的な正解があるわけではありません。
写真や文章を、すっきり整理して配置したレイアウトが読みやすく良い場合もあれば、規則性もなくランダムに配置することで動きや楽しさを表現することが良い場合もあります。
アットホームな社風を表現したい社内報に、無機質でスタイリッシュなデザインを入れてしまうと「なんだかうちの会社らしくない?」となってしまいますよね。
何が「キレイ」で何が「カッコいい」のかも人の主観によるもので、他の人と同じとは限りません。どんなデザインを「キレイ」と感じるのか、どんなデザインを「カッコいい」と感じるのか具体的にデザイナーに伝え、認識をすり合わせることがとても重要なポイントです。
ただし、あなたとデザイナーの認識がしっかり合って、二人の満足のいくデザインができたとしても、あなたの上司や社長、読者も同じ認識とは限りません。好みは人それぞれですから、主観的な好き・嫌いで判断されがちになってしまいます。
ではそんなときは、何を軸にデザインすればよいのでしょうか?
それは、社内報の「目的」です。
良いデザインをするためには社内報の目的に立ち返って、誰に何を伝えたいのかを整理して考えることが大切です。次からは具体的なポイントを確認していきましょう。
● ターゲットの読者はどんなタイプなのか?
● このページで伝えたいことは何なのか?
● 読んだ後、読者に何を考え感じてほしいのか?
この3つをデザイナーに依頼する前に、社内報に関わるみなさんで必ず整理をしましょう。
読者の男女比や年齢層は若手が多いのか?シニア層が多いのか?今回の企画や特集は特にどの年代に伝えたいのか?これだけでも方向性が少し見えてきます。そのうえで、この企画や特集で一番伝えたいことを一言で表すなら何というかを考えてみましょう。
そして、読者が「この記事を読んだときどんな風に感じてほしいのか、伝わってほしいのか」を考えます。伝える側からの想いだけでは読者の気持ちを動かすことはできませんから。「伝える」ことと「伝わる」こと、言葉は似ていますが大きく異なります。
ここまでが整理されたところで、丁寧に、適切に、デザイナーに説明してあげてください。
デザイナーとイメージの話をする時には、必ず見本となるようなサンプルを用意しましょう。言葉で伝えるよりも具体的なビジュアルがあった方が、デザイナーと確実にイメージを共有することができます。
他社の会社案内やホームページ、本屋さんで買った雑誌、街中で配布しているフリーペーパー、テレビなど、デザインイメージのタネは世の中に溢れています。それをデザイナーに「こんな色づかいにしたい」「このくらいはじけた企画ページにしたい」など“YESイメージ”を伝えることで、発想力を引き出していってあげましょう。
この時、「こんな色づかいにはしたくない」「ここまではやってほしくない」という“NOイメージ”も同時に伝えてあげましょう。そうすることで、デザイナーは、「デザインの振り幅はココからココくらいまでか」と頭の中を整理できるので、行き過ぎたデザインを防ぐことができるでしょう。
さらに全体デザインをする上で、キーとなるカラーがある場合はその資料も渡しましょう。コーポレートカラーであればCIマニュアルなどで細かい指定数値が設定されているはずです。過去の社内報については過去を踏襲してほしいのか、踏襲しないでほしいのかを明確にした上で渡しておけばデザイナーの参考資料になります。
デザインのサンプルを集める方法を紹介します。
実物をストック、データ化して保存しておく
この冊子のデザインはいいな。何かに使えそうと思ったら、とにかくファイリングしておいて、デザインの打ち合わせや発注の時に、デザイナーに見せて思い描く方向性を共有するためのツールとして使いましょう。
今は、社内報をはじめ、会社案内や株主通信、アニュアルレポートやCSRレポートなどのPDFがホームページで公開されています。その中で使えそうなものでダウンロード可能であれば、ご自身のパソコンの中にいれておきましょう。Webデザインであれば、URLをブックマークしておくという方法もあります。
また印刷物の場合には、社内にスキャニングしてPDFとして取り込むことができるマシンがある場合は、同じようにPDF化してファイリングしておけば、かさばる心配もありません。
デザインストックに役立つサイト
おススメしたいのが、Pinterest(ピンタレスト)というビジュアル系のアイディアを見ることができるSNSです。その中で、キーワードで検索していけば、参考になるビジュアルをいくつもみることができます。Pinterest(ピンタレスト)は、多くのプロのデザイナーの方が参考にしているSNSですから、一度覗いてみてはいかがでしょうか?
このようにして、いくつもデザインサンプルを常に手にしていれば、このような時には、こんなデザインの方向性をお願いしようといったことが、皆さんの中で方向性として固まってくるはずです。スマホで見ることができるようにしておけば、スマートにデザインの打ち合わせを終えることができるでしょう。
デザインをする上で注意したいのは、原稿の分量です。
1ページ当たりの原稿の分量がどの位になるのかによって、デザイナーは文字の大きさや行間を決めます。これは、最も原稿量が多いページを参考にします。ですから、原稿の分量が確定していない状態で、デザインを開始すると、後で原稿が入らないページが出てくることもあるので、注意しましょう。
デザイン先行で進行する場合は、デザインに合わせて原稿の分量を調整することにします。その際には、原稿を依頼する部署やライターに文字数を指定して原稿執筆を依頼しましょう。
発注側と受注側が継続的にいいものを作っていくためには、ダメなデザインが上がってきた時の対応が大切になります。
今出ている案はダメと言いにくいから、「もう1案作って、その中から選びたい」などというあいまいな態度をとると、最終的に満足のいくデザインにならないと考えた方がいいでしょう。
ダメなデザインが上がってきたときには、しっかりと伝え認識をすり合わせる必要があります。
ダメなデザインが出来てしまう背景には、発注側と受注側の双方の反省が必要です。
ダメなデザインが上がってきた時に、最初にしなくてはならないのは、依頼した時点の打ち合わせで、どこまでイメージを共有していたかどうか確認することです。
イメージの共有ができていなかったとすれば、イメージの共有ができるまで、ビジュアルや参考資料を集め確認し直す作業をしなくてはなりません。
イメージの共有ができていたにも関わらず、ダメなデザインが上がってきたのであれば、以下のような原因が考えられます。
・デザイナーのスキルが不足している
・デザイン作業日数がしっかり確保されていない
・誌面デザインがメイン業務ではないデザイナーが担当 ※
・発注費用が依頼内容に見合っていない
・お互いのセンスの相性が悪い
※デザイナーの中にも種類があります。
雑誌や冊子などが得意な「エディトリアルデザイナー」
ポスターやキービジュアル作成が得意な「グラフィックデザイナー、DTPデザイナー」
デザイナー作成のレイアウトを元に、印刷用のデータを作成する「DTPオペレーター」
各職種の境目は曖昧な部分も多く、会社によっては本来の職種以外の業務を兼務している場合があります。
上記の内容が全てではありませんが、ダメなデザインが続くときに原因を考えるヒントにしてみてください。
発注側と受注側の双方の反省が終ると、再度デザインをする上で
・修正すればいいのか?
・全く新たな要素やコンセプトを入れなければならないのか?
・それともデザイナーを変えるべきか?
といった判断ができます。
その判断を元に、デザイナーと打ち合わせをして再依頼します。
そうすれば、再依頼したものは満足度の高いデザインになるでしょう。なぜなら、デザインのどこがダメだったのか、最初のイメージの共有がうまくいかなかったのか、要素が足りなかったのかというようなことがお互い理解できるようになり、そこから発注側と受注側が一体となって、いいものをつくるという共感が生まれます。
後は少々乱暴な方法になりますが、デザイナーも人の子です。スタイリッシュなデザインが得意な人、可愛らしいデザインが得意な人、広告ポスターのようなインパクトのあるデザインが得意な人、緻密に計算されたレイアウトが得意な人など、得意なことは異なるものです。
もしも、いろいろ試しても改善されない場合は、思い切って担当営業に「こんな雰囲気のデザインが得意なデザイナーはいませんか?」と相談してみるのも一考と思います。
デザインに関しては、素人だからといって、まるごと任せてしまう担当者が多いのですが、このようなポイントを押さえておけば、自然と完成イメージを思い浮かべながらデザイン発注ができる「デザイナー脳」が養われていくでしょう。
限られた時間とコストの中で、思い描くデザインがあがってきたら、皆さんのご負担もかなり軽減されることでしょう。そのために、関わる人たちとのコミュニケーションを深めてイメージを共有することが大切です。
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