社内報のつくりかた
社内報担当者になったからには、まず次号の表紙を決める?それとも企画を考える?
正直何から手をつければよいのかわからない…
でも仕事だからとりあえず進めなきゃ…と思っているそこのあなた!
ちょっとまってください。
とにかく何か動かなきゃ!と思う気持ちはわかりますが焦りは禁物です。
企画案を考えることや取材、原稿の書き方などノウハウの部分に目を向けがちですが、制作を始める前に、まず取り掛かるべきことがあります。
この部分を飛ばしてしまうと、後々悩んだり困ったりと苦労の元になりがちです。
今回ははじめて社内報担当者になった方に、ぜひ読んでいただきたい内容です!
「自社は何のために社内報を発行しているのか?」
という社内報が作られている目的や役割を確認しておくことが重要なポイントです!
これはどこの会社でも伝えられていると思いますが、本当の意味で引き継がれているかというと怪しいところもあるのではないでしょうか。。。
社内報の目的は会社ごとに異なり、
・会社の方向性を示すことが目的
・離れた拠点間のコミュニケーションを活性化する
・将来の管理職候補の若手に刺激を与える
などさまざまです。
その目的に対して
「社内報の果たすべき具体的役割は?」
「いつまでにどのような状態になればその役割を果たせたと言える?」
という具体的役割やゴールの姿を、社内報担当者としてはしっかりと認識しておきましょう。
時間の経過や担当者が何人も入れ替わるうちに、本来の役割やゴール設定が忘れられることで、「前年と同じ企画にしよう」「面白くないからもっと面白いテーマを考えないと」「上司の個人的な好みで企画が通るかどうか」などなど・・・企画で苦労するお話はよく耳にします。
もちろん事業状況や年度ごとに、役割やゴール設定は変化していくため、過去と現在の情報、両方を改めて確認しておくことが必要です!
社内報の目的・役割を押さえた次のアクションは、さっそく制作開始・・・の前に!
過去の社内報をあらためて読み直しておきましょう。
過去に作られてきた社内報はあなたの教科書になります。
作り手からの視点で読み込むと、新しい発見や気づきがあるはずです。
特に前年度の同じ時期に発行されている号は、旬の企画が載っているのでとても参考になります。必ず目を通しましょう。
社内報の制作業務について引き継ぎを行っていると思いますが、意外と忘れがちな点があります。
社内の方々の協力があってこそ成り立つ“社内報”ですから、気配りも重要です。事前準備として、あらかじめ下記のような情報を仕入れておくと良いでしょう。
・キーマンを引き継ぐ
社内報の企画や記事で何を取り上げるかは担当者や担当部署に一任されている場合が多いですが、押さえておくべき社内キーマンがいるはずです!
公式か非公式かは会社によりますが、社長・役員・部長など経営に近い人の場合が多いです。
その理由は、社内報は社内の人向けの情報発信といっても、会社の公式情報を伝える媒体であり、インナーブランディングにもなる「経営ツール」だからです。
編集長は社長や役員という会社もありますが、「制作には直接たずさわらないけど、毎回読むのを楽しみにしている」という社長や役員もいらっしゃいます。
企画を立てて進んでいたが、部署の方針が変わって企画自体が没になった・・・
今、注力したい点はそっちじゃなくてこの施策だ!
過去、社長はこのような点に注目して読まれているらしい。
などなど、前任担当者が把握しているキーマンと、そのキーマンの重要視しているポイントを、しっかり引き継いでいくことは社内報を作るうえで重要です!
社内報自体や、特集記事にどのような印象を持たれているかを知っておくことも、社内報という「経営ツール」の成長に役立てることができます。
・情報提供してくれる人を引き継ぐ
社内報担当者にとって「情報収集」は重要な仕事です。
その「情報収集」を定期的に行っていくためには、幅広い人脈が必要です!
社内報の編集を一緒に行ってくれる編集委員や、編集には直接関わらないけれど部署との窓口業務や情報を収集してくれる通信員がいる場合はもちろん引き継ぎの場はあるでしょう。
しかし、それ以外の
・社内報制作に協力的な人や部署
・あの部署の情報を聞くならこの人が詳しい
・よく社内報に意見を寄せてくれる人
など、前担当者独自の人脈を引き継いで継続的に情報収集をしていくことが、読者に刺さる企画へとつながっていきます!
経営情報や仕事内容だけでなく、
今あの部署はどのような課題を抱えているか?
働くスタッフはどんな感情を持って毎日過ごしているのか?
など、数字や文字だけでは読み取れない情報も集めておきましょう。
見落としがちな引き継ぎポイントは、
「絶対にやってはいけないことは何か」を引き継ぐこと。
引継ぎでは、つい上手くやるコツや効率的な方法などに目がいきがちですが、やってはいけない暗黙のルールや失敗した事例こそ、しっかり引き継いでおきましょう。
例えば、
「あの人に◯◯という話題はNG」
「掲載順はこの順番でないといけない」
「この部署に関わることは、あの人に話を通しておくべきだ」
「過去こんな失敗があり迷惑をかけてしまった経緯がある」
などです。
社内報担当をしていると誰しも「あぁ!やってしまった・・・」という失敗談が一つや二つあるはずです。
私がよく担当者様から聞くのは「人の写真とキャプションの名前が一致していなかった」という間違えられた人にとっては非常に気持ちよくない失敗談です。集合写真などは特に注意が必要ですね。
暗黙のルールや失敗したからこそ、必ず注意を払っている点は、洗い出してみるとそれなりの数があるのではないでしょうか?前任担当者にとっては当たり前になっていることこそ見落としがちな引き継ぎポイントでもあります。
ここまできて、ようやく制作工程に入っていきます。社内報の制作フローを覚えて、まずはスケジュールを立てることから始めましょう!
発刊日が決まっている場合、その日から逆算して考えてみましょう。意外に時間がない!と思う人も多いはず・・・
ざっくりとしたものでも構いません。スケジュールを立てることで、どの部分にどれだけの時間とパワーをかけられるかが見えてきます。
以下では、社内報を作るために知っておくべき基本的な手順について紹介していきます。
各記事に割り当てるためのページ数を決める「台割」を作成します。
台割とは、ページごとの内容を表にまとめたものです。
目次と似ていますが、台割では1つの記事にどのくらいのページを割いているのかが見た目で分かるところが違います。
社内報では毎号継続掲載する企画と、特集や単発での企画と大きく2種類に分けられる場合が多いです。台割は記事ごとのページ数のバランスを考えたり、記事の順番を考えたりするために作成します。
事前に確認しておいた社内報が達成すべき目的・役割を意識しながら記事の企画を考えていきましょう!
【例1】
目的:社員間のコミュニケーション促進
コンセプト:「社員同士を繋ぐ」
→いろいろなリレー企画
自己紹介リレーや趣味の紹介リレー、感謝リレーなどで読む時だけでなく、作成時点でもコミュニケーションを促進できるように工夫
【例2】
目的:経営理念を一人ひとりに伝えること
コンセプト:「○○(企業名)スピリットの浸透」
→経営理念を深く理解している人に多く登場いただく企画
社長や経営陣のインタビュー連載、社長と社員の座談会などディスカッションする場を設ける企画
企画が決まったら、次はラフレイアウトの作成に取り掛かりましょう。ラフレイアウトの作成は全体の構成を決めるのに大切な作業です。以下のような手順で行います。
各記事の仮タイトルを決定し、記事毎にラフレイアウトを作成します。ラフレイアウトの写真内容・写真の点数・文章の量を確認します。あまり文章の量が多すぎると読むモチベーションが下がってしまうので、写真と文章の量のバランスに注意しましょう。
また、どのような写真を載せたいかを次の手順の取材に備えてイメージしておきましょう。同じような構図の写真ばかりだと単調なイメージになるので、画面の視野が広い写真の後はアップの写真にするなど、見た目の印象でも読み手を飽きさせない工夫をしましょう。
ラフレイアウトができたらもう一度社内報のコンセプトと合っているか確認しましょう。
ラフレイアウトがある程度出来上がったら、次はレイアウトを意識しながら取材内容や取材スケジュールを考えます。
誰にどのような内容で取材するかを決め、実際に社内報の取材アポを取ります。業務の合間に時間を取ってもらうので、感謝の気持ちを伝えることを忘れないように!
取材の前までに記事の方向性を決め、取材対象者にもどのようなことを聞きたいか伝えておくと取材がスムーズに進みます。
また、取材をする際には紙面を意識した写真撮影も必要となりますので、どのような構図で写真を撮りたいかしっかりとイメージして取材に臨みましょう。
取材が終わったらさっそく原稿の執筆です。
ここで大切なのは、次の工程「レイアウト」に大きな影響を与える原稿の分量です。原稿を書いているうちに
あれもこれも入れたい!
っと、なりがちですが、デザイナーは文字の大きさや行間を、原稿の分量によって決めていきます。
文字数や写真・図表が多すぎて、誌面の端から端までギュウギュウに詰まっていたら、読みにくくて仕方ありません・・・ラフレイアウトを参考に、分量を確認してから執筆しましょう。
原稿を執筆する時も初めに決めた目的とコンセプトを忘れずに!この原稿で伝えたいことは何か?が分かるように常に意識しておきましょう。
社内報担当者が執筆するだけでなく、社員に執筆を依頼する場合もあり、それを「寄稿」といいます。社員に執筆してもらうことで、社内報に対する参加意識が芽生えるきっかけにもなります。社員の負担になりすぎない範囲で、原稿の執筆を依頼してみましょう。
原稿が出来上がったら、自分で何度か読み直し誤字や脱字は修正します。
少し時間を空けてから読み返すと客観的に文章を読めて、違和感のある部分に気が付きやすくなります!
自己チェックが完了したら、内容に問題がないかどうか上司や取材対象者に原稿内容の確認をしてもらいましょう。
取材に基づいているとはいえ、執筆者の誤認などもあるかもしれません!
すぐに返答がもらえない場合には、発行日が遅れてしまうことのないよう返答期限を伝えておきます。
原稿の準備が整ったら、レイアウト制作にはいります。
レイアウトデザインを外部発注するという選択肢もありますね。その場合は、デザイナーに企画の意図や目的、イメージしているレイアウトはどんなものか、丁寧に伝えましょう。
参考になるレイアウトやイメージ画像などを収集しておくと、打ち合わせがスムーズに進みますよ!
デザイン要素の装飾・色・フォントの種類などは、どんどん足していきがちです。
企画・誌面で伝えたいことが読者にしっかり伝わるよう、デザイン要素は必要最低限にしておきましょう。
レイアウトが完成したら、この時点で改めて文字内容含め間違いはないか確認していきます。この確認を「校正」といいます。
レイアウト・内容が確定したら、あとは印刷会社に印刷の発注を依頼すれば完了です!
あとは印刷物が納品されるのを待ち、届いたら社員やOB・OG、ご家族など対象者に社内報を配布しましょう。
最近は紙媒体でなくWeb上で公開することも増えています。過去分も簡単に確認でき、印刷を待つ必要がないので原稿が完成すればすぐに発行できます。紙よりコストが安く済む場合が多いです。
ただし、社員が自分から「サイト上の社内報を見に行く」というアクションを起こしてもらう必要があります。サイト上で発信する場合は、社員に見に来てもらうための工夫が必要です。
ここまで、社内報の作り方の概要をお伝えしてきました。
思っていたよりやることが多い!
これ私にできるのかな・・・?
と感じられた方も多いことでしょう。
今回の記事ではざっくりした概要をお伝えしているだけですので、他の記事も参考にしていただき、社内報担当者レベルをアップしていただければと思います!
社内報の作成というと原稿を書くことを思い起こしがちですが、原稿を書く前にも目的やコンセプト、全体の構成を考えるという手順があります。ここをしっかりと検討されていないと社内報作りが迷走しがちです。
作り方の基本手順を押さえて、目的やコンセプトがしっかりとした社員に読まれる社内報を作れるようがんばってくださいね!
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