社内報のつくりかた
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社内報担当者にとって一番辛い瞬間が、まったく読まれないままデスクの隅に放置されている社内報を発見したときではないでしょうか。せっかく自分がいろいろな場所を飛び回って取材して書き上げた記事を読んでもらえないというのは、何とも残念なものです。しかし、一度よく考えてみましょう。今の社内報は、忙しい社員たちがぜひ読んでみたいと思うようなものになっているでしょうか。
このコラムでは、社内報のリニューアルを検討している担当者に向けて、思わず手に取ってみたくなる、開いたら記事を読みたくなる社内報を作成するコツについて解説します。
ぜひ読みたいと思わせる社内報にするためには、デザインクオリティの見直しも必要な場合があります。デザインについては、専門的なスキルを持つ外部の制作会社を頼るというのも1つの解決策です。その際、より魅力のあるデザインを実現するためには、担当者自らが具体的なサンプルイメージを作り、制作会社と共有することも大事です。
優れた社内報は、もちろん中身が充実しています。会社の最新情報、業務のヒントとなる情報、時にはトレンドネタなど、メインターゲットである社員の興味を引く情報を取り揃えておくことは大事です。
しかし、文字情報は読んでみなければその良さは伝わりません。苦労して執筆した記事を読んでもらうためには、社内報の第一印象にもこだわりましょう。その社内報を読みたくなる、何か面白いことが書いてあるような気がする、と期待させるようなデザインであることが大切です。
社内報も雑誌と同じです。第一印象に大きく影響する表紙のデザインクオリティ、中身のレイアウトや色調にはこだわりましょう。
書店で雑誌を選ぶときのことを想像してみましょう。たくさんある雑誌の中からどれを選ぼうかと迷うとき、最初の判断材料となるのは、やはり表紙デザインではないでしょうか。
表紙はいわば雑誌の顔です。まず、中身を読んでみたくなるかどうかは表紙にかかっているといっても過言ではありません。社内報にも同じことがいえます。
リニューアルを検討していて、社内報全体のトーンの方向性に悩むときは、まず表紙のイメージから作っていくのも良いでしょう。
例えば写真を使ったものにするのか、あるいはイラストにするのかでも雰囲気は変わってきます。写真の場合も、風景にするのか、社員を出すのか、あるいは物を使うのかでも大きく異なります。
判断に悩むときは、会社のブランドイメージやイメージカラーを参考にしましょう。社内報は会社の発行物の中でも比較的デザインの自由度が高い傾向があります。しかし、例えば自動車メーカーの社内報なのに表紙が子猫ではちぐはぐです。あるいは、イメージカラーが黄色なのに、表紙にまったく黄色が使われていないというのも不自然です。会社のブランドイメージを理解し、イメージカラーはできるだけ取り入れましょう。会社の発行物についてのデザインルールがあれば、社内報でも必要に応じて踏襲するのが無難です。
リニューアルは社内報のデザインを改善する絶好の機会です。質が高く洗練された社内報というのは社員のモチベーションアップにも繋がります。リニューアルのタイミングで社内報の誌名を変えるという選択肢もあります。例えばカタカナ書きだったのを、アルファベットにするだけでも印象は大きく変わります。
大事な表紙デザインが決まったら、次は中身のレイアウトやデザインを考えていきましょう。
キャッチコピー、見出しやリード文の出来栄えが良ければ、記事を読んでもらえる可能性も高まります。できるだけ興味を引く、センスのよい言葉を選びましょう。
リード文では、具体的かつ簡潔に記事の内容を説明することが大事です。キャッチで目を引き、リード文でさらに興味を引くことが大切です。見出しは、本文を要約した分かりやすいものにすることを心がけましょう。
あらゆる世代の多くの社員が目にする社内報ですので、本文は読みやすいフォントや色調であることが重要です。癖の強いフォントや小さすぎるフォントは避けましょう。
また、同じ社内報内で、複数のフォントが使われているのも落ち着かないものです。フォントはすべて角ゴシックなどで統一し、太さや大きさでメリハリをつけるようにしましょう。また、背景の色と文字の色が似ているとそれだけで読みづらくなります。視認性には十分に注意しましょう。
中を開いたときに読む気を失わせる誌面の筆頭が、ページの隅から隅までびっしりと文字で埋めつくされているという類のものです。
担当者として、できるだけ多くの情報を伝えたいという気持ちは分かりますが、誌面に対して明らかに文字量が多すぎると、見た瞬間にページを閉じたくなってしまいます。適度に余白を設け、写真やイラストを効果的に使うなどして、楽しく面白い雰囲気にしましょう。
どうしても文字量が多めになってしまう記事の場合は、適宜段落ごとに見出しを入れると読みやすくなります。また漢字とひらがなのバランスも大事です。漢字だらけの文章は固い雰囲気になり、読み手を疲れさせます。新聞記者が使う新聞記事の用語集などを参考にしながら、適宜ひらがなも使うようにしましょう。
デザインの方向性に迷ったときは、サンプルイメージを作ってみましょう。雑誌やカタログなどを集めて、自分のイメージに近いものを探してみることで、自分の目指したい方向性がより具体的になります。明るい感じ、元気な感じといっても、各個人が頭の中に描くイメージは異なっている場合があります。制作会社に表紙デザイン案の作成を依頼する際にも、サンプルイメージがあれば、思い描いているものと大きくかけ離れたものが提案されるといった事態は避けられます。
web上には、無料で使用できる写真素材やデザインサンプルもあります。こういったものを使うことで、より分かりやすいサンプルイメージになります。
ただし、無料で使える素材は画素数が荒いものが多く、実際の印刷には適さないということがあるので注意しましょう。しかし、サンプルイメージに仮使用する分には問題ありません。サンプルイメージ作成の前に、評判の高い他社の社内報を入手してベンチマークするのも近道のひとつです。
制作会社にサンプルイメージを渡してデザインを作ってもらう際には、いきなり最終版を提出してもらうのではなく、事前にカンプを出してもらうようにしましょう。
カンプとはデザイン用語の1つで、全体のデザイントーン、誌名の位置や大きさ、レイアウトなどをできるだけ最終版に近い形で再現した出力物のことです。
フォントや色味などは数パターン出してもらい、見比べてみるのも良いでしょう。カンプを見ながら、もう少し色は明るめに、写真は小さめになどといった微調整を行っていきます。制作会社の提案やアドバイスを受けながら、最終判断を行うのは担当者になります。制作会社に丸投げするのではなく、担当としてどうしたいかという意思を持つようにしましょう。
企画の立案、取材、記事執筆、校正と、社内報担当者は大忙しです。1つの記事をつくるだけもあっという間に時間が過ぎていきます。特にリニューアルを予定している場合は、現行版の作成と並行してリニューアル企画を練らなくてはならないので大変です。担当者の人数にもよりますが、なかなかすべてにまで手が回らないというもどかしさもあるのではないでしょうか。
ぜひ手に取ってみたいと思わせる社内報には、高いデザインクオリティも求められます。社内報の顔である表紙デザイン、さらに記事をより魅力的に見せる誌面デザインについては、外部の制作会社を頼ってみるのも1つの解決策です。
デザインイメージというのはなかなか口頭では伝わりにくいものです。手戻りを防ぐためにも、自分が目指すものに近いサンプルイメージを作ってみましょう。
社内報のリニューアルは大変ですが、同時に達成感のある仕事です。また、すべての社内報担当者が経験できるというものでもありません。リニューアルを成功させるために、担当者としてできることから始めていきましょう。
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