社内報のつくりかた
はじめに
こんにちは!かわうそです。
私が社会人デビュー直前、入社1ヶ月前に実際の業務を1週間ほど体験する機会が与えられました。たった1週間、されど1週間・・・毎日緊張の連続でしたが「会社で働くこと」や「会社での過ごし方」をイメージすることができ、学生から社会人へのスイッチをうまく切り替えられたように思います。
とはいえ、どんな会社でも入社してみないとわからないことは、多かれ少なかれあるものです。入社してから自分が抱いていたイメージとのギャップに悩み、戸惑う人も多いはず。そんなギャップをなくすために、内定者フォローの一環として社内報を活用している会社も増えています。これから入社して一緒に働く未来の仲間たちへ、社内報を通して伝えられることは何かを考えてみたいと思います。
毎年、春から夏にかけて企業では採用活動で忙しい時期に入ります。最近はインターンシップ制度を導入する企業も増え、長期のインターンを経験すると「どんな企業で何の仕事をしたいのか」が明確になり、その経験をいかして就職活動をスタートさせている学生も多いようです。インターンシップといっても企業によっては時間や内容が限定的な場合もあるので、会社案内や採用サイト、OB・OG訪問で聞いたこと以外にも入社までにいろいろな情報にアクセスできるほうが自分の将来を描きやすくなるはずです。
内定者懇談会や若手社員とのコミュニケーションの場を設定している会社も多いものの、会社の最新情報や様子をフォローできるのは公式WEBサイトぐらいしかないのが実情。そこで最近は内定者専用のサイトやSNSを通して情報共有をしたり、内定者に社内報を送付している企業も増えているのだそうです。内定者にとっては定期的に企業トップのメッセージや最新情報をキャッチアップしたり、職場の雰囲気を知ることができ、マインド的にも学生から社会人へと自然にシフトしていけます。
しかし、就職活動中の主たる情報源である会社案内や採用サイトは、そもそも学生に興味や関心を持ってもらえるように意識して作られているのに対し、社内報はあくまでも社員を対象としたコミュニケーションツールですので、どうしても内容やテイストにギャップが生じてしまうもの。定期発行している社内報をただ送付するだけでは、内定者へのフォローとして充分とは言い切れません。学生にしてみれば、社内報の内容が少し専門的で難しいと感じるかもしれません。
では、入社を控えた内定者にとって自己啓発やモチベーションアップに役立つような情報提供とは、どのようなスタイルや内容が良いのでしょうか?
社内報を内定者に送付する場合は、学生向けに読んでほしいポイント・仕事に役に立つ情報・入社前に準備しておくことを送付状に添えて同封するなど、ひと手間かけることでより関心をもって読んでもらえるようになります。今回のおすすめ記事などの添え書きがあるだけでも、社内報が読みやすくなるはずです。また理系出身の学生には新技術の紹介、文系出身の学生には新製品や新サービスの紹介、ビジネス法務など、職種別に「エッセンスはここ!」という点を明確にしておくだけでも仕事に対する関心度や意識が変わってくると思います。
改めて別冊を作るとなると制作費など経費もかかってしまいますが、ワードやパワーポイントで作成したプリントを社内報に添えるだけでも良いのです。そのプリント自体もビジネス文書やプレゼン資料のお手本にもなります。「今、我が社ではこんなことに力を入れて頑張っています!一緒に仕事ができる日を楽しみにしています!」というメッセージが伝わるような工夫をしていきましょう。社内報に入社1~3年目の若手社員に継続的に登場してもらうコーナーなど、内定者が興味を持って読めそうな企画を意識的に作ってもよいかもしれません。
内定者専用のWEBサイトやSNSを展開している場合は、人事部とも協力して、入社前の事務手続きやあらかじめ知っておいてほしいビジネスマナーやスキルなどの情報をタイムリーに流すことができます。若手社員にも協力してもらい、入社1年目に苦労したことや頑張ったこと、新人へのメッセージを掲載することで、内定者は入社後の自分をイメージしやすくなります。内定者からも質問を募集し、社員が回答するといった双方向の企画を連載化してもよいでしょう。
そのほかにもオフィス内や工場・研究所を訪問し、職場環境を写真や動画で紹介するのもおすすめです。会社で働いている人たちのライブ感が伝わり、スマートフォンやタブレットでも閲覧・視聴可能なコンテンツは世代的にもこれから入社してくる学生に受け入れられやすいと言えます。会社のリアルをどれだけ伝えられるかがポイントです。
会社によっては内定者をアルバイトとして採用し、業務の一部を任せているところもあります。内定者は職場の雰囲気を知ることができ、社内での人脈を広げることもできます。一方、受け入れる会社側にとっても会社の環境やシステム、業務の流れについて理解を深めてもらえるので、双方にとってメリットがあります。企業の規模や制度によっては実現が難しい場合もあるかもしれませんが、実際に内定者や新入社員に社内報の制作を任せている会社もあります。
社内報の制作チームにフレッシュな人材が加わることで、若い世代の率直な提案や意見も集まりやすく内定者のニーズにあった記事を作ることができます。自分がその会社でどんな仕事をしたいのか、どんなキャリアパスを描いていきたいのか、そのために必要なスキルは何か?を具体的に考え、行動できるような企画は、新人だけでなく先輩社員にとっても良い刺激になります。入社後も主体性や自主性をもって仕事に取り組めるようなマインドを醸成していくのも社内報の役目のひとつ。社内報を内定者フォローとしても活用しながら、入社前の不安をやる気に変えることができそうです。
さて、少し話がそれますが、私が就職活動をしていた頃の話です。本社最上階の会議室で最終面接を終え、緊張から解き放たれてホッとしてエレベーターに乗り込みました。エレベーターには社員の方がたくさん乗られていたのですが、途中階で停まりドアが開きました。時間はちょうど3時。フロアから聞こえてきたのはなんとラジオ体操の音楽!「え、まさか3時に皆でラジオ体操するの?この会社!」とちょっとビックリしたのですが、何故かそこに会社生活のリアリティを感じました。
実際に入社してみると、これもちょっと驚いたのですが始業時と就業時に社歌もBGMとして流れていました。入社試験の間に足を踏み入れたことがあるのはピカピカの大理石のロビー、エグゼクティブ感のある応接室や会議室。その雰囲気だけで職場の環境を想像てしまっていたわけで、リアルな会社生活って、やっぱりオフィスのフロアに行ってみないとわからないものです。
仕事や業務知識を早く覚えてもらうための情報提供も大切ですが、会社生活をどんなふうにして楽しんでいるか?過ごしているか?例えばランチ事情、社員寮での生活、入社後いつまでリクルートスーツを着て会社に出社すればいいのか?・・・と、同期の間ではわりとよく話題になる「新人あるある」をピックアップして、そういった質問や相談に先輩社員が答えてくれる企画があっても面白いかもしれません。ラジオ体操・・・今考えれば、正直どうでもよさそうな話ではあるのですが、そんなことさえも会社の中のことを知らない入社前はけっこう気になったりするものです。硬軟バランスの良い企画を掲載することで、内定者や新入社員の緊張をほぐすこともできます。
おわりに
会社として伝えたいこと・伝えるべきこと。そして社員が知りたいこと。この3つの情報がバランスよくまとまっているのが、社内報をつくるうえでとても大切です。会社の仕事に魅力があるか、社風が自分とあっているかどうかというのは、内定者が入社を決めるうえで重要なポイントでありながら、実際に入社してみないとわからないことでもあります。就職活動中と入社後のギャップが大きいと「あれ、何だか思ってたのと違う。こんなはずじゃなかった」と悩む人も少なくありません。
そんなギャップをなくすためにも、仕事や会社の魅力を伝えることで、未来の仲間たちも含め、社員のモチベーションアップにつながるような社内報となるよう工夫していきましょう。春からは採用活動も本格化。夏以降の内定者フォローに社内報を活用する場合の参考になれば幸いです!
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