社内報のつくりかた
目次
こんにちは!かわうそです。ずいぶん前の話ですが、新卒で入社し社内報担当になって初めて任された仕事は社内報を各部署に配布すること、そして関係取引先への発送業務でした。社会人1年生。社内報を届けるだけの「社内報配達員」という単純な仕事でしたが、各部署にそれぞれの雰囲気やカラーがあり、いろいろな先輩方から顔と名前を覚えてもらうことができました。社内報配達員を経験したことで、その後社内報の原稿を依頼したり、取材をする時に何かと役立ちました。今思えば新人にピッタリの仕事だったのかもしれません。
そんな新人時代のことを思い出しながら、今回は新人社内報担当が身に付けておくべき事をまとめてみたいと思います。インプット(情報収集)とアウトプット(情報伝達)・・・ちょっと意識するだけで、社内報作りが変わっていくはずです。さっそく「受信力・発信力・調整力」の3つのスキルを軸に考えてみたいと思います。
社内外の情報を幅広くキャッチし、社内報をつくるうえで役に立つ情報、記事のネタになりそうなことを取捨選択するのが受信力です。スポンジのようにどんどん情報を吸収するインプット力、そして情報を選別する力を身に付けていきましょう。
情報の鮮度・深度・密度を意識しながら、日々の地道なリサーチが良記事につながる!
社内の行事や勉強会だけでなく業界のトレンドや社会情勢など、どんなことでも幅広くアンテナをはりめぐらせてキャッチしておくことが大切です。ニュースアプリなどで気になるメディアを定期的にフォローしたり、業界紙に目を通している人も多いと思います。
鮮度のあるトレンド情報だけでなく、これは自分の会社や業界と関係ありそうだ!仕事に役立ちそうだ!と思ったことは、自分なりに分析や調査をして深く掘り下げてみましょう。情報のストックが多ければ多いほど社内報も骨太で内容の濃い記事になり、社内報全体の情報密度も高くなります。
取材やインタビューでも相手が答えやすく、具体的な答えが得られやすい質問ができるようになります。
フットワークを軽く、足でも情報を稼ぐ!現場では何が起きているのかを肌感覚で知る。
会社のデスクに座ったまま、メールやチャットだけでヒアリングや取材を済ませていませんか?フットワーク軽くいろいろな場所に出かけてみること、勉強会に参加してみること、見本市や展示会などがあれば見学にいってみること・・・足で情報を稼ぐことは確かに時間がかかりますが、自分で現場に行って体験したことは、ネットで拾った情報を要領よくまとめるよりも断然リアリティと説得力があります。スケジュールに比較的余裕がある時には、できるだけ研修や見学などに積極的に出かけて行ってみましょう。
雑談力・相槌力・質問力を磨く!先輩たちからコミュニケーション技術を学ぶ。
取材やインタビューは、可能であれば先輩社員たちに頼んで一緒に連れて行ってもらうようにしましょう。雑談で場の雰囲気をなごませ、相手が話しやすい環境を作る・・・これが自然にできるようになるまではある程度場数を踏まなくてはいけませんが、先輩たちの技から学べることも多いはずです。
聴く(聞く)力も大切です。相手の話を聞きながら、適切な場所で共感したり、驚いたり、相槌をうつこともコミュニケーションの技術の一つ。しっかり話を聞いている姿勢を見せることで、相手はリラックスして気分良く話ができますし、面白いエピソードを引きだすこともできます。取材やインタビューに出かける前には、予習も必要です。あらかじめ記事のストーリーをイメージしたり、取材テーマについて情報収集をしておくことで、相手が答えやすい質問を投げかけ会話のキャッチボールが楽しめるようになります。
情報をいかにわかりやすく、効果的に伝えるかというのが発信力です。アウトプットの技法と言い換えてもよいかもしれません。具体的には文章力、デザイン・写真・印刷の知識で、社内報の仕事のなかでも専門性の高いジャンルになります。デザインやレイアウトは「情報」という素材に味付けをする「スパイス」のようなものです。視覚的な効果をスパイスとして与えることで、社内報はより一層魅力的なメディアになります。
上手な文章を書かなくても大丈夫!わかりやすく簡潔な文章を書く訓練をする。
締切前になかなか原稿が書けずに苦労している人も多いと思いますが、文を書くのが苦手という人でも5W1H[いつ(When)どこで(Where)誰が(Who)何を(What)なぜ(Why)どのように(How)]というポイントを簡潔にまとめるだけで文章になりますし、それだけで充分です。
社内報では、どのくらい(How many)、いくら(How much)という規模や費用感を説明するシチュエーションも多いと思います。この5W1H、あるいは5W3Hの部分は、正しい情報をきちんと確認して記事にすることが大切です。文章を上手に書くことにとらわれずに、事実を忠実にまとめることを意識して記事を書いてみましょう。修飾語はたくさん入れすぎず、冗長な文章にならないように気をつけてください。
情報を見やすく、分かりやすく伝えるために、デザイン・写真・印刷のセンスを磨く。
多くの企業ではデザインやレイアウトを外注しているケースが多いかと思います。自分が担当しているコーナーや記事について「こんなテイストのデザインだったらいいなぁ」というイメージが頭のなかにぼんやりと浮かんでいることってありませんか?デザインの知識があれば、自分の描いているイメージをより具体的に伝えることができます。
例えば文字と図(写真)のバランス(図版率)、文字の大きさのメリハリ(ジャンプ率)、配色や余白の使い方、フォントの知識、文字と写真の配置の仕方などです。紙でもWEBでもふだんよく見ているメディアがあれば、ちょっとそんなことを意識してみてください。同じ文章でも行間を広くしたり狭くしたりするだけで、テンポよく読めるようになったり、スッキリとわかりやすく見せることができます。読み手にとって心地いいデザインや文字の組み方とはどんなものかをイメージしながら記事を作っていきましょう。
最も効果のある時に情報を発信するタイミングはいつなのか?を考える。
コミュニケーションというものは、いつ・どういうタイミングで相手に何を云うかで結果は随分変わってくると思います。社内報は社員に対して、会社のトップメッセージやこれから目指す方向を伝える大事なツールです。入社や異動などで人の動きが多い時期、新しい経営計画が発表された時、新しい製品やサービスがスタートした時、いろいろなタイミングを逃すことなく、いつ情報を発信したら最も効果があるのかということを考えるクセをつけておきましょう。
社内報を制作するうえで意外と重要なのが調整力。コツコツ記事を書いたり校正するだけではなく、社内外と調整する機会が予想以上に多いのが社内報の仕事です。特にデザインやレイアウトなど、一部の仕事を外注している場合は社内と委託先との板挟みになって大変ということも多いと思います。社内報の進行管理をする人にとってはとても大事なスキルです。そしてもうひとつ。社員のためになる情報や記事の内容を吟味し、硬軟バランス良くまとめるのも調整力です。
スケジュール調整はマメすぎるぐらいマメに!担当者全員が当事者意識をもって仕事をする。
原稿の締切や校正の期日が守られない時、約束の日に約束したものが出来てこない…これが一番困ります。入稿が遅れると校正などチェックの時間が否応なく削られてしまいます。取材先や関係者のチェックが必要な場合は、後から文章やレイアウトに手を加えないといけないこともあるので、時間に余裕を持たせておきたいところです。
少しバッファーを持たせたスケジューリング、期日が近づいたら進捗状況を確認、遅れている部分はプッシュ!・・・とてもシンプルなことではありますが、同時並行でいろいろなことを走らせていると調整作業もかなり大変です。社内報制作の進捗状況は担当者間で共有しタスクとスケジュール管理を徹底しましょう。
社内報で伝えたいこと、社員が知りたいことのミスマッチが起きていないか?という問題意識を持つ。
社員が知りたいこと、自分が伝えたいこと、両方のバランスはうまく取れているでしょうか?社内報が社員にあまり読まれていないと悩んでいる担当者も多いかもしれません。それは社内報の記事内容が社員のリアルなマインドとかけ離れていることが原因かもしれません。真面目さと面白さの絶妙なバランスを調整していくことも大切な社内報編集の仕事です。
例えば「新入社員時代の思い出」と「新入社員時代の失敗談」、どちらが興味を持って読んでもらえそうでしょうか?「失敗談」のほうが断然インパクトがあり、「刺さる」記事になります。ちょっとした勘違いや行き違いからくる少し微笑ましい失敗談、失敗から得た教訓を誰から紹介してもらうか?そして、どういう切り口や見せ方をすれば社員のマインドにフィットするか…そのチューニングはとても難しいことですが、新人担当のうちからバランス感覚を身に付けておきたいものです。
目指すのはゼネラリストか?スペシャリストか?
自分自身のキャリアパスにおいて、社内報担当で得た知識と経験をどんなふうに役立てていけばよいのかを考えてみよう!
「社内報配達員」からスタートした私ですが、最初は1本の記事を書くこと、取材をするだけで精一杯でした。やがて少し経験を積み重ねてくると社内報というメディアをどう成長させていけばよいのか、という問題意識も芽生え少し大局的に物事をとらえられるようになりました。そして、3~4年たったころには、社内報制作の仕事を最終的に自分のキャリアパスにおいてどう位置付けるか?ということもよく考えました。
広報や総務のスペシャリストを志向しているのであれば、社内報づくりのノウハウは必須です。事務系・管理系・営業系と幅広いフィールドで活躍したいゼネラリストにもその後のキャリアに良い指針を与えてくれるはずです。
私の場合は広報室に勤務した後、営業部門が長かったのですが、物おじせずにオープンマインドで人とコミュニケーションをとることは社内報担当の時に身についたことですし、デザインや印刷の知識は営業部門でプレゼン資料を作ったり、宣材物を作る時にも役立ちました。
スペシャリスト・ゼネラリストのどちらを目指すにしても、大事なことは「ただ単に社内報をつくるだけで終わらせない」ことです。受信力・発信力・調整力はどんな業種のどんなセクションでも必要なスキルなので、社内報の仕事で得られるスキルというのは自分自身のキャリアの大きな財産になることを忘れずに仕事をしましょう。
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