社内報のつくりかた
こんにちは、nocoです。
社内報担当者の方とお話しをしていて、「文章を書くのは苦手なんです」ということをよく耳にします。私も、編集経験は長いですが、得意かと言われると…むしろ苦手です。でも、今までの経験で思うことは、伝えるべき情報が定まっている記事の文章は、決して「名文である必要はない」ということです。むしろ、余計な装飾言葉は邪魔なこともあります。
大切なのは、「伝えるべき内容がきちんと伝わること」です。
みなさんは、文章を書くとき、どのように書き始めていますか?
作文のマスを埋めていくように、冒頭の文章から書き始めていませんか?
実はこれ、「文章が苦手」な人には不向きなやり方なんです。
筆に任せて書ける小説家ならいざしらず、苦手な人がやってしまうと、途中で書けなくなってしまったり、文字数が大量にオーバーして何度も書き直したり、大事なことが抜けていたり…という原因になったりします。
そこで、今回は、私が実践している文章の書き方の基本的な部分をご紹介したいと思います。「書き方」というより、「まとめ方」といった方がいいかもしれません。
「新入社員が入社から半年経ち、どのように成長したかを追いかける記事」を想定します。
※社内報担当者の方が取材をして、あるいはヒアリングシート(原稿)を基に文章をまとめる場合を想定しています。
取材前に原稿内に盛り込みたい内容を項目として書き出して確認しましょう。
(例)=========================
・就職時に今の仕事を志望した理由(入社当時の気持ちを振り返る意味を込めて)
・実際に仕事をはじめて、どうだったか
・初受注など成長を表す具体的なエピソード
・今の目標
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取材では、実際に仕上がりの文章をイメージしながら、「使える」話をしっかり聞き出しましょう。結局はこれが文章の素となるので、きちんと押さえていないと、文章を書く際に困ります。
①文章を作る材料を書き出す
取材で得た情報から、文章に盛り込みたい要素を書き出していきます。この時は、長くつながった文章でなくて、箇条書きで構いません。
事前準備で盛り込みたい内容として決めた項目が網羅されているかもチェックしましょう。
(例)=========================
目に見える成果があった方がいいと営業職を志望
部活の経験からチームで目標を追いかけることが喜びだった
実際入社すると想像以上に厳しくて自信をなくした
初の大型受注で先輩が喜んでくれた
先輩たちがアドバイス、サポート
もっと頑張りたい、チームに貢献したい
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②一番スムーズな順序に並べ替える
書き出した要素を、どういう順番でつなげるのが最もストーリーとしてスムーズかどうか、入れ替えてみます。これは、文章を書き始めてから替えても構わないので、まずは一旦、目安で並べてみます。
③書き出した項目に少し肉付けをしていく
箇条書きだった文章により具体的な状況説明や補足する内容を足していき、膨らませていきます。例えば、単に「部活の経験から」と言っても、いつの時代のどんな部活の経験なのかがわからなければ、読者に営業職を志望するまでの背景が見えてきません。
(例)=========================
目に見える成果があった方がいいと営業職を志望
部活の経験からチームで目標を追いかけることが喜びだった
↓↓↓
高校・大学時代はラグビー部に所属して、チームで一丸となって一つの目標を追いかけることに熱中していた。
仕事でも目に見える成果を挙げることで成長したいと考え、営業職を志望した。
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慣れてくると、このあたりで、冒頭をどんな文章にして、どう締めくくるかが浮かんでくるようになります。
④それぞれのパーツをつなげていく
接続語を足したり、語尾を調整したりして、それぞれの文章をつなげていきます。
(例)=========================
高校・大学時代はラグビー部に所属して、チームで一丸となって一つの目標を追いかけることに熱中していた。
仕事でも目に見える成果を挙げることで成長したいと考え、営業職を志望した。
↓↓↓
高校・大学時代はラグビー部に所属して、チームで一丸となって一つの目標を追いかけることに熱中していたと語る福田さん。仕事でも目に見える成果を挙げることで成長したいと考え、営業職を志望した。
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⑤文字数制限内でより記事の文章らしく整える
ここで一度文字数をチェックして、オーバーしているようなら、重複している表現を省いたり、端的な表現に変えたりして修正をしていきます。
また、客観文章と本人コメントを織り交ぜてメリハリをつけたりして、より「記事らしい」文章に仕上げます。
(例)=========================
高校・大学時代はラグビー部に所属して、チームで一丸となって一つの目標を追いかけることに熱中していた。
仕事でも目に見える成果を挙げることで成長したいと考え、営業職を志望した。
↓↓↓
「高校・大学時代はラグビー部に所属して、チームで一丸となって一つの目標を追いかけることに熱中していましたね」と語る福田さん。仕事でも目に見える成果を挙げることで成長したいと考え、営業職を志望した。
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⑥最後に何度か全文を読み直してチェックする
私は、書いた翌日など少し時間を置いて、再度チェックすることをおすすめします。一度頭をリセットしてからチェックすることで、より読者に近い視点で読み、書いたときとは違う点に気付けます。そうすることで、より読みやすい文章へブラッシュアップすることができるのです。
「高校・大学時代はラグビー部に所属して、チームで一丸となって一つの目標を追いかけることに熱中していましたね」と語る福田さん。仕事でも目に見える成果を挙げることで成長したいと考え、営業職を志望した。
実際に仕事に就いてみると、彼が想像した以上に受注を取ることは難しく、自信をなくしかけた時もあったそう。それでも、同じチームの先輩たちがトークのアドバイスをしてくれたり、提案内容を一緒に考えてくれたりというサポートがあり、今月、晴れて初の大型受注を果たした。「受注が決まったとき、先輩が自分のことのように喜んでくれた姿を見て、もっと頑張りたい!チームに貢献したい!と思いました」。
今の彼の目標は、チームの達成に向けて、先輩と組んでアタックしている新規案件を受注することだ。
社内報の文章は、多くの場合、全くのフリーでゼロから書くわけではなく、インタビューや社内情報など、「伝えるべき」情報があり、それを伝わるように書くものです。
このように構造的に文章を書くやり方をすれば、ずいぶんと楽になると思います。
いつもテキスト作成に苦労している担当者さんは、ぜひ試してみて下さいね!
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