社内報のつくりかた
こんにちは。ディレクターのnocoです。元編集者の目線から、社内報制作のレベルアップに役立つ編集ノウハウをお届けしています。
突然ですが、私はタイトルを付けるのが苦手です。編集者時代もキャッチーなフレーズを思いつくセンスもなく、固く平凡な言い回しになってしまう…タイトル会議は本当に苦労しました。それでも「最低5案は出す(しかも違うパターンを厳選して)」ルールに従って毎回作っていくうちに、少しずつコツのようなものがわかってきました。
千本ノックではありませんが、数をこなすということは大事ですね。(「タイトルは100本出す」なんていう編集部もあります!)
そこで、今回のテーマは、「タイトル」です。
コピーの基礎として、①記事の内容が想像できる ②メッセージ性(企画意図)がわかる ③読みたくなるような表現 というポイントがあります。今回は、この中の③について深掘りしてご紹介します。
「誰に向けているのか」「どんな内容か」「何に役立つのか」がわかることは記事タイトルの前提条件ですが、これらを表現する際にできるだけ具体的な言葉を使います。例えば、「新人」「リーダー」「30代」「営業」「ワーキングママ」などの言葉を使うと、記事の対象者が明確にわかります。
また、記事の内容を表す際も、以下のようにより具体的にします。
・生産性を上げる方法 ➡ デスクワークの生産性UP術
(「“どんな仕事・工程”の生産性」ということまで出すと対象者もわかりやすい)
・新商品を解説 ➡ 既存商品と徹底比較!新商品のスペックまるわかり
(新商品の「何」が「どんな形」で載っているのか、読むと「どうなる」のかがわかる)
・営業トークのお手本 ➡ 新規営業トーク必勝パターン
(営業の中でも「新規営業」の良いトーク例を紹介していることが伝わる)
具体的な言葉を用いると、一目見てわかりやすいということだけでなく、社内報のターゲット読者に「自分向け」だと気付かせ「読まなければ」という気にさせます。
これは社内報だけに限らず、広告や雑誌などあらゆる分野で使われていて、本屋でもたくさん目にすると思います。例えば、
【数字なし】キレイな記事デザインを作る基本ルール
【数字あり】キレイな記事デザインを作る3つの基本ルール
ただ数字を入れただけで、なんとなく印象が強くなりませんか?特に最近は、SNSなど“パッと気軽に読む”ということに慣れている人が多いので、「3項目読めばわかる」というゴールのわかりやすさも「読む」きっかけになると思います。
また、たくさんの人の声を拾った企画であれば、「営業現場REAL VOICE 100」など、その数字は大きなアピールポイントにできます。
ただ、何でも数字を出せばいいというものでもありませんので、そこはご注意を。「ボリューム感を表す」「“たったこれだけでわかる”というインパクトを出す」など意味があることが大切です。
簡単なのは、誰もが知っている固有名詞や旬なワード、「法則」「コツ」など“見逃せないお役立ち情報”だと思わせる言葉を使うことです。また、「元ニート」と「社長」など対比する言葉やギャップのある言葉を組み合わせるのも効果的です。社内報でありそうなキャッチ―なタイトル例は、
・あの○○部長が思わず涙した売上達成秘話
(社内で人気あるいは有名な役職者の名前で注目させる)
・立ち上げマスターが語る「新店オープン成功の秘訣」 (新店立ち上げのベテランを「マスター」、ノウハウを「秘訣」と表現する)
・電話が短い人は営業成績が良い
(マイナスの意味で使われることも多い「短い」と「良い」のギャップで目を引く)
などなど、言葉そのものの強さや組み合わせの効果で、読者の興味をそそります。
タイトルは体言止めが多くなりがちですが、メッセージ性を強く出したい場合は、口語体の文章にするといいでしょう。読者や媒体コンセプトに合わせた言葉使いをすることは前提として、より読者に訴えかける「~でいいの?」「~は本当に理解されているか」などの問いかけや呼びかけにしたり、「~せよ」「~だ」など断定的な言い方で強く主張したりして工夫することでよりダイレクトに響きます。
どんなに力を入れて社内報を作っても、読者(社員)の役に立つ内容や企画が盛りだくさんでも、読んでもらえなければ水の泡です。また、逆にあおり過ぎて誇大表現になってしまうのも考えものです。「タイトルにつられて読んだら期待した内容と違った」などと思われ、さらに今後の読む意欲がなくなってしまいます。
結局は、まず社内報の企画や記事の中身がしっかりしていることが第一で、それにふさわしい看板=タイトルを掲げることが、「読まれる」記事の条件です。
社内報記事の内容と共にタイトルもレベルアップしていきましょう!(私も頑張ります!)
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