社内報のつくりかた
目次
こんにちは!かわうそです。今回は「周年事業」をテーマに取り上げてみたいと思います。創立30周年や50周年など周年を迎えるにあたって、これまでの「会社の歩み」をまとめたり、「未来へのビジョン」を紹介したりと、社内報で長期の連載企画に取り組んでいる会社も多いのではないでしょうか。記念式典の開催・記念品の制作・社史発行などで、周年事業に関連して広報や社内報担当者のノウハウを求められる機会も多くなります。周年のタイミングでロゴマークの刷新などリブランディングを行う場合もあり、社内報のデザインを新しく変える会社もあるかもしれません。今回は周年事業に関連した社内報担当者の仕事についてポイントをまとめていきましょう。
会社で周年事業を行う場合、経営企画・総務・広報などの部門から担当者が集まってプロジェクトチームをたちあげ、1~2年前から準備を始めるケースが多いようです。50周年や100周年など大きな節目を迎える場合は、2年以上前から準備をスタートするところもあるでしょう。最初に明確な方針として決めておきたいのは【1】周年事業で何をすべきか (目的と内容)【2】周年事業をどのように進めていくか (進行・予算管理) ということです。
歴史の長い企業では周年事業の進め方についてノウハウがあり、式典の準備・株主や顧客への通知などの手順やスケジュールが細かく決まっているケースもあるかもしれません。一方で、周年事業の記録や手順などがきちんと引き継がれていない場合もあり、周年事業のあり方・進め方を模索している担当者もいるはずです。これから周年事業の準備をスタートする場合は、自社にとってふさわしい周年事業とは何か?株主・顧客・社員にどのような効果をもたらすか?という視点も持ち合わせながら、内容と目的に応じて「いつまでに何をすべきか?・何ができるのか?」を具体的に決めていきましょう。
会社によっては周年を迎えるタイミングで、[企業ロゴや商品パッケージを刷新]・[新しいマスコットキャラクターの導入]・[特設サイトの開設]・[名刺や宣材物に周年専用のロゴをプリント]といったプロモーション活動を行い、リブランディングに取り組む場合もあります。どこかで「おかげさまで◯◯周年」というロゴ入りの名刺やパンフレットを受け取ったことがある人もいると思います。社外への発信だけでなく社史や記念誌を発行し、社内報でも社史・周年史と連動した企画を展開してインナーコミュニケーションの活性化をはかることも大切です。
このような周年事業に関して、広報・社内報担当者にアイデアが求められる場面も増えてきます。初めて周年事業に関連した業務を任される人は、何から始めればよいか・・・戸惑うこともあるかもしれません。まずは過去に発行された社史・社内報・プレスリリースなどに目を通すことから始めてみましょう。会社の歩みやターニングポイントとなったことを事前に把握したり、可能であれば以前に発行された社史や周年史の編纂に携わった社員にヒアリングをして、必要な作業や手順を洗い出してみるとおおまかなスケジュール感がつかめるはずです。
社史や周年史を発行したり、テーマ性をもたせた記念冊子や映像コンテンツを制作するなど、企業によって発行する媒体や内容はバラエティに富んでいます。一般的に「社史」は現在に至るまでの会社の歴史をまとめて忠実に記述するのがスタンダードなスタイルです。それに対し、記念冊子は写真・イラスト・インフォグラフィックを取り入れつつ、インタビュー記事やコラムを掲載し自由度の高い内容で構成できます。過去に社史を発行している場合は、文章の記述方法・情報量・ トーン&マナーのバランスを取りながら制作していくことも心がけましょう。
会社の歴史を記録する【社史】とテーマ性をもたせた【記念冊子】-何をどう作るかによって、資料の収集や原稿の執筆に要する時間も異なります。周年事業のコンセプトにあわせてどんな内容がふさわしいか、十分に議論を尽くし検討を重ねることが大切です。
社史や記念誌を作る際に必要となる社内資料の収集・整理、取材や記事執筆、文章のチェックや校正などが社内報担当者に任されることもあります。通常の社内報発行業務と並行して作業を進める場合、どれぐらいのマンパワーがかかるかも想定しておきましょう。
周年事業で社史・周年史・記念冊子などを制作する場合、その内容と連動した企画を社内報で紹介することもできます。会社のこれまでの歩みを振り返りながら、写真や資料を深く掘り下げて紹介したり、自社ならではのエピソードをコラム形式で掲載することで、自社の歴史や成り立ちへの理解が深められます。もし社内報で周年事業と関連したテーマで記事をつくるとしたら、どのようなテーマが良いでしょうか?いくつか事例をあげてみたいと思います。
▼直近の10年を振り返る
特にこの10年は東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨災害など多くの災害が発生しました。「災害をどう乗り越えて来たのか」は社史や周年史でも記録として残しておきたいテーマのひとつです。また社内報でも社史と連動して過去を振り返りつつ、これから未来にむけて会社として災害対策にどう取り組むか?を特集することもできます。
▼商品の歴史を振り返る
商品や製品を生産している会社では、商品名のネーミング秘話を紹介する企画も社員に興味を持って読んでもらえそうです。会社の主力商品の名前を決める時に、他にどんな候補があったのか?なぜその商品名に決まったのか?などのエピソードとともに、歴代の商品パッケージやロゴマークを紹介することもできます。社内報では「社史」とは少し切り口を変えて、レイアウトやデザインにもアレンジを加え、商品の歴史を体系的にまとめて紹介すれば社員に興味を持って読んでもらえそうです。
▼社員の歴史を振り返る
企業の創業に深く関わった人、新商品や新技術の開発に携わったメンバーにインタビューをして記事にまとめることもできます。私が勤務していた会社では、長年にわたり会社のカレンダーに日本国内の美しい風景画を掲載していました。会社の周年企画とあわせて社員やOBにカレンダーに掲載された風景画のなかから1枚選んでもらい、その風景にちなんだ思い出のエピソードを紹介してもらう企画を社内報に連載しました。カレンダーに描かれた風景のなかには社員のふるさともあれば、懐かしい赴任地もあり、会社の歴史と自分自身の人生を重ね合わせた素敵なエピソードが多く集まりました。
また、社内報では自社のこれまでの歴史を振り返るだけでなく、これから先の未来へ向けてどんなビジョンで取り組んでいくべきかという視点も重要です。会社の未来像を社員全員で共有できるような社内報、会社を未来へ導く社内報となるためにはどんな工夫ができるか…。周年を迎えるタイミングで、考えておきたい課題です。
社史・周年史・記念冊子を発行する場合、その内容や記述について広報や社内報担当者が校閲・校正を任されることもあります。文章をチェックする時には、どんなことに気をつけたらよいか考えてみましょう。
周年事業に関連してチェックをしておきたいのは、創業・創立・設立・開業の使い方が曖昧になっていないかどうかという点です。【創業】は事業を開始した日、【創立】は学校や会社などの機関や組織を作って事業を開始した日になります。また会社の【設立】は法人登記日にあたります。今まであまり意識してこなかった人も、自分の会社の成り立ちを知るうえで、創業・創立・設立の使い分けを明確にしておくことはとても大切です。
人の名前・業績などのデータ・商品や技術の説明をする際の専門用語なども、間違えないように慎重かつ細心の注意を払ってチェックしましょう。文章校正ツールを使用している場合も、完全にチェックしきれない用語も出てくるはずです。専用用語・用例の使い方をきちんとマニュアル化しておくと、社史や周年事業に関する冊子だけではなく社内報を制作する際にも表記ミスなどがなくなり、精度の高い情報を提供できます。
通常の社内報発行と同時に社史や周年史の編集を進めなければならない人も多いかもしれません。最近は専門のノウハウをもった制作会社に、社史などの取材や執筆を依頼するケースも増えていますが、「どのようなコンセプトで何をつくるか」・「会社の歴史を通して、未来に伝えたい会社のアイデンティティとは何か」を明確にしておくことはとても大切です。従来の社史・周年史からの系譜を継ぎながら、時代に即した内容になっているかという視点も求められます。単に歴史を振り返るだけでなく、未来にむけて何か指針になることが見つけられるようなものを作り上げていきましょう。
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