社内報のつくりかた
目次
社内報は、どのような形態に仕上げるかによって配布の方法が大きく異なります。
仕上げ方は大きく分けて紙、PDF、webの3種類があり、その特徴やメリット、デメリットもさまざまです。社員数が1,000人を超えるような規模の企業では、社内報をPDF化して閲覧するという方法を検討することも多いでしょう。しかし、作成における留意点にも違いがあるため、なかなかPDF化に踏み切れないケースもあります。今回は、社内報をPDF化する場合のポイントについて見ていきましょう。
PDFとは、Portable Document Formatの略であり、紙に印刷する場合と同じ状態でページを保存できるファイル形式の名称です。形式はデジタルですが、実際には紙媒体と同じような使われ方をすることも少なくありません。PDFは仮想プリンタで出力されるという性質から「紙のデジタル版」と考えていいでしょう。配布や閲覧はwebを利用して行われます。そのため、社内報のPDF化にあたっては、web環境が整っていることが条件です。社内報の作成にあたっては、編集から校正、校了に至るまで、複数の人でやり取りしなければならないこともあります。PDFはメールに添付したり、SNSなどでそのまま送ったりすることもできるので、完成までのプロセスにおいても利便性の高さを実感できるでしょう。
PDFの社内報にはさまざまなメリットがあります。まず挙げられるのは、速報性があることでしょう。PDFはweb上に公開すると単独のURLが振り当てられます。このURLをメールやSNS、ビジネスチャットなどで送れば、受け取った側がURLにアクセスして閲覧できます。大きなデータ量で送る必要もなく、容易に配布できるのはPDFならではのメリットと言えるでしょう。また、情報量の制限がないことも際立った特徴です。紙で社内報を作成する場合、手間やコストの面からページ数を制限しなければならないことも少なくありません。しかし、PDFであればそのような制限なく配布することが可能です。
一見、紙の特徴と重なる部分が多いPDFですが、修正や更新においては紙を上回るメリットがあります。PDFは完成後や公開後に修正や更新が必要となった場合でも、上書きシールを貼ったり、一度配布したものを回収したりする必要がありません。大元のPDFを修正、更新し、その連絡をするだけで完結するため、気軽に利用できます。社内イントラ上に掲載すれば、見る側がキーワードなどを入力して検索するだけで該当する社内報へたどり着くという検索性の高さも期待できるでしょう。また、閲覧した結果、必要であると判断した場合は容易に印刷して紙の社内報として保存することも可能です。
メリットばかりのように思えるPDFにも、少なからずデメリットがあります。まず、更新する際は担当者への負荷が必然的に大きくなることです。一度web上に公開したPDFを削除する作業は、相応のwebに関する知識が必要となります。公開作業を自社で行う場合は、このデメリットを頭に入れておきましょう。PDFが手軽であることは見る側にとっても同じです。PDFは見る側に開いてもらうアクションが必要になります。たとえ、URLを受け取っても、見る側が開くアクションを起こさなければ、閲覧してもらうことすらできません。紙の社内報と比較して、閲覧に対する強制力は弱いと言えるでしょう。
PDFを確実に見てもらうためには、見る側の閲覧環境も必要です。webに接続できる端末を持っていなければ見ることができません。社員全員に仕事用のPCが支給されている場合をのぞき、閲覧環境に対する調査が必要になるでしょう。社内報担当者として最も留意すべき点は、PDFにはセキュリティ面の問題があるということです。webを利用する以上、社外の人もそれを閲覧する可能性があることを念頭に置いておきましょう。
PDFの社内報には、紙やwebの社内報との明確な違いがあります。まず、紙はじっくりと読んでもらいやすいという特徴があります。新聞に代表されるように、手元にさえ届けば、環境に左右されずに読むことができるためです。しかし、PDFはその瞬間に閲覧できる環境が整っていなければ読んでもらえない確率が高くなります。本来であれば、見る側がPDFの社内報の重要性を紙のPDFと同等のものとして考える必要があるのですが、現実はそういうわけにはいきません。これほど技術が進歩したなかでも「重要な情報は紙で」といわれるのはこのような理由があるからです。
では、webとPDFの違いはどこにあるのでしょう。webを利用した社内報には、社内のブログなどが挙げられます。PDFが配布されたものを閲覧するという一方通行の情報媒体であるのに対して、webは動画の使用やコメント機能によるコミュニケーションが可能になるのが特徴です。社内報に社内コミュニティの機能を持たせるのなら、webが有効と言えるでしょう。一方、速報性という点ではwebとの共通点があります。紙は物理的なやり取りが必要であり、それがタイムラグにつながるためです。紙は作成している時点から閲覧までに時間がかかります。また、情報量を多くすればそれだけ作業は煩雑になるでしょう。web上に社内報を設ける場合は、速報性と情報量の制限がありません。その点は、webとPDF共通のメリットと言えるでしょう。
では、実際に社内報をPDFで作成する際のポイントを見ていきましょう。一般的に、印刷業界では350dpi以上の解像度がきれいに印刷できるといわれています。dpiとは1インチあたりに含まれるドット数の単位のことであり、その数値が高いほど画像はきれいになります。社内報をより多くの社員に見てもらうためには、画像の美しさは欠かせない要素です。写真を掲載する場合は、画像が鮮明に見えるようにするため、解像度を意識する必要があります。
解像度は、出力の際に設定することで上げられますが、元の画像の解像度が低ければ期待した効果は得られません。社内報に掲載する写真を撮影する段階で解像度を意識すれば、PDF化したときにもきれいに出力できます。たとえば、印刷に必要となる画像サイズで撮影すると、引き延ばしによる画像の粗はなくなるでしょう。また、暗い場所ではプラス補正することでより鮮明な画像になります。このように、撮影時に解像度を高くすることで社内報の見栄えは格段によくなり、見る側の閲覧意欲も上がるでしょう。
社内報をPDF化するには、いくつかの方法があります。wordやexcelなどのソフトには、あらかじめPDFに変換する機能も用意されているので、ファイルの保存の際、PDFを指定して保存するだけでPDF化が可能です。もしくはwordの新規作成時点でファイル形式としてPDFを選択することもできます。PDFの変換ソフトを使う場合は、紙への印刷と同様の作業で出力します。紙に印刷する場合のプリンタが実態のないものとなり、印刷されたものは画面上で見られるファイルになると考えるといいでしょう。仕上げた社内報を印刷する際、プリンタ一覧からPDF変換ソフトを選択すると印刷結果としてPDFファイルが作成されます。
ここまでできたら、いよいよ社内報の配布です。PDF化したソフトを社内イントラ上に掲載しましょう。社員一人ひとりの閲覧意欲を高めたい場合は、メールで配信すると効果的です。社内報は社員全員が閲覧し、その内容をしっかりと伝えることが最終的な目的となります。作成することはもとより、より閲覧率を上げるための工夫が何よりも大切です。
PDF化した社内報は、その後もさまざまな活用ができます。そのひとつが、e-book化です。e-bookとは電子書籍のことであり、PDFファイルよりも閲覧のしやすさが高くなるという特徴があります。e-book化にあたっては、専用のソフトを使う、社内報制作会社に依頼をしてe-book化してもらうなどの方法があるので、自社に合う方法を選びましょう。また、e-bookはイントラ上で共有もできるため、より多くの閲覧が期待できます。PDFの社内報をなかなか社員に閲覧してもらえず悩んでいる場合は、e-book化を試してみるのもいいでしょう。
PDFやe-bookは、情報量に制限がなく、場所を取らないというメリットがあります。日々、情報を更新する必要がある場合はなおさら、そのメリットを実感できるでしょう。現状、紙の社内報を発行していて何らかの問題を感じている場合、PDFやe-bookを活用することで問題が解決へ向かう可能性も期待できます。社内報をPDF化もしくはe-book化して、保管に困らず、いつでも必要な情報を閲覧できる状態を目指しましょう。
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