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多くの会社で、社員旅行や運動会などを実施しています。これらのイベントは、社内コミュニケーションを図るために大きな役割を果たしています。また、社員同士のチームワークを高めるためにも重要でしょう。一方で、社内行事を面倒と感じている社員がいるのも事実です。プライベートを大切にしたい社員にとって、社内行事は余分な手間になりかねません。
この記事では、気軽に打ち明けられない、会社行事に対する社員の本音や対立する考え方の解決方法について解説していきます。
前提として、会社行事にはプラス面がたくさんあります。上下関係がきびしい会社も、スポーツやゲームなどを通して部下が上司と対等に関われる時間を生み出せます。楽しいイベントをともに過ごせば、これからの関係性を軟化させるためにも役立つでしょう。仲のいい社員はより絆を深め、関係性の薄い社員同士がお互いを認め合えるのは社内行事の大きなメリットです。そのため、コミュニケーション不足改善の一環として、さまざまな行事を企画する会社は少なくありません。
ところが、社員の中には行事への参加をどう断るかが悩みの種になってしまう人もいます。本人の性格などが原因のケースもあるものの、運営側のいたらなさも決して見逃せない要素です。例えば、参加が強制的だったり、欠席に対して上司がきつい態度だったりすると、社員が参加したくなくなるのも当然だと言えるでしょう。その結果、会社行事に対してますますマイナスのイメージを持ってしまい、より社員のモチベーションは低下します。
社員行事は決して悪いイベントではありません。しかし、その魅力を存分に発揮するためには、行事自体が充実した内容で、なおかつ、社員が自主的に参加できるよう運営側が配慮することが肝心です。
代表的な社内行事として、「社員旅行」が挙げられます。1年の疲れを癒し、仕事仲間と明るく騒げる社員旅行を楽しみにしている人は少なくありません。しかし、社員旅行に参加したがらない社員がいるのも事実です。
会社側からすれば、企画した社員旅行を断られるのは気分が良くないでしょう。また、不参加者が出ることで、宿や乗り物の予約などが面倒になる場合もあります。それでも、「行きたくない」と思う社員の心理については、軽く扱わないようにしましょう。本人にとっては深刻な問題をはらんでいる恐れもあるからです。
例えば、家族サービスなどの私生活を優先する社員は増加傾向にあります。せっかく家族とゆっくり過ごしたいのに、休日まで仕事仲間といたくないと考える人もいるでしょう。また、そもそも職場の人間関係が苦手な人は「長時間一緒に行動したくない」と社員旅行を拒みがちです。仕事ではなんとか我慢できても、旅行は気を許せる人と行きたいという考えの人もいます。
旅費などの負担が大きすぎることもあるでしょう。費用は少しずつ給料から積み立てるなど、主催者側が配慮できなければ社員の反感を買ってしまいかねません。
会社側は、「会社行事には意味があるのだから参加して当然だ」と考えがちです。確かに、特別な理由もなく「面倒だから」と会社行事を避けたがる社員には問題があります。ただし、会社や上司によっては、会社行事を社員に無理強いしてしまうケースも少なくはありません。そして、無理強いがエスカレートすると人間関係が悪化する恐れも出てきます。中には、不参加に対して辞表を求めるなど、問題になってしまうケースもあります。
その他、問題になりやすいのは「アルハラ」と見られる状況です。飲みの席がある行事では、体質的にアルコールが飲めない人もいるので注意が必要です。飲まない人に無理にすすめる行為は、ハラスメントと取られても仕方ありません。
また、休日や時間外に行う行事では、参加を強制するとパワハラに相当する可能性が高いです。上司や幹事は不参加の理由を確認し、意思が揺るぎないようなら受け入れることが重要です。上司にとっては些細な理由でも、本人にとっては重大な場合もあるでしょう。休日や時間外であれば、会社の都合よりも社員ごとの事情や希望を優先することが大切です。
社内行事を嫌がる社員の本音として、「休日が潰された」という思いがあります。表彰イベントや社内旅行ともなれば、丸1日以上を社員同士で過ごさなければいけないので苦痛に感じる人もいます。特に、気をつかう対象の多い若手や、社内に友人の少ない人などは「できれば参加したくない」と考えがちです。
ところが、忘年会や新年会、歓送迎会など一般的な行事であれば参加したいという社員は少なくありません。
忘年会や新年会は仕事終わりに行われることが多く、さほど「会社に時間を奪われた」という意識にならないということでしょう。普通の飲み会の延長として楽しめる社員が大半です。終電までに帰れるのであれば、翌日以降の予定にも大きな支障は出ません。
スポーツイベントなども、企画によっては多くの社員から支持を得ることも可能でしょう。
「運動会」「球技大会」と大がかりな内容にしてしまうと、面倒に思う社員は増えます。また、スポーツが苦手な社員も気が重くなりがちです。一方、ボーリングなど早く終わって、運動神経に関係なく参加できるスポーツであれば誰でも参加しやすいでしょう。
社内行事を考える際は社員の性別、年代なども踏まえて、反応が良さそうな企画を練るようにしましょう。
社内行事に苦手意識を持つ社員は「日程や内容の発表が急すぎる」と思っていることもあるかもしれません。
行事当日までに時間があれば断りを入れても運営に支障は少ないでしょう。しかし、目前に迫った状態で発表されると「断ったら迷惑になる」との心理が働き、思わず参加を表明してしまいます。その結果、本音では出たくない気持ちで当日を迎えるので、社内行事への苦手意識がますます強まっていくような状況も考えられます。
そうしたことを防ぐために会社側は、社内行事の日程をなるべく早く発表します。そして、行事の内容やタイミングによっては、休日を潰さないように工夫をすることも重要です。ちょっとした行事であれば、朝礼やミーティング、退社時間の前後などに計画するのもひとつの方法です。
例えば、年末近くになると、恋人とのクリスマス旅行や友人とのイベントを計画する人も少なくありません。家族サービスを行いたい社員もたくさんいます。社員のプライベートな予定にかぶらない配慮も大切です。
また、社内報を使って、先々の予定を発表すると社員は行事の日程に悩まされなくてもよくなるでしょう。なお、表彰などは、社内報の中で発表してしまう手段もあります。表彰イベントのために1日を割く必要がなくなるので社員の負担は減り、運営の仕事も効率化できるでしょう。社内報で「社内行事でしてほしい内容」をアンケートで聞くようなことをすれば、社員の要望に沿った内容を企画できるかもしれません。
会社側の勝手な思い込みで社内行事を企画すると、社員の心は離れていきます。また、休日や時間外の行事参加強制は離職の原因にもなりやすいので注意 が必要です。
社員が行事に対してどんな印象を持っているか、アンケートをとったり、希望を聞いたりすることが大切です。そして、結果を社内報などで共有していけば、本当に望まれている社内行事が見えてくるでしょう。
社内行事そのものが嫌な社員よりも、「的外れな社員行事を無理強いされる状態」を嫌う社員が多いため、会社側の考え方次第では社内行事の参加率は高められます。
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