社内報のつくりかた
目次
会社の業績は、社員のコミュニケーションが反映されることもあります。社員同士の会話が多く、遠慮なしに議論を交わせる会社は往々にして業務も効率化しやすいからです。
しかし、社内コミュニケーションは短期間で向上できるものではありません。社員一人ひとりが日々の心がけを積み重ねて、ようやく習慣化されていくものだと言えるでしょう。
この記事では、社内コミュニケーションの重要性と、コミュケーションの取り方について解説します。
会社における「コミュニケーション」とは、仕事に関する会話はもちろん、それ以外の雑談も含めた社員同士のやりとりを指します。
社内コミュニケーションの大きなメリットは、何よりも「モチベーションアップ」でしょう。社員間の関係性が深まれば、職場そのものが楽しくなり、前向きな姿勢で仕事に取り組めます。
また、「社員間の壁の撤廃」もメリットです。コミュニケーションが停滞している職場では、「あの人には話しかけにくい」「雰囲気が静かすぎて発言をしにくい」などの問題が起こりがちです。コミュニケーションを活性化させ、社員間の壁が取り除かれることで、業務の効率化が図れるでしょう。
他にも、誰かに聞けばすぐに解決できそうな問題を延々と1人で考えこんでいるような時間の無駄を防げます。
また、すでに誰かがクリアしている課題を他の社員が手がけてしまうようなパワーの無駄も回避可能です。社内コミュケーションが十分に取れていれば、問題の解決がスピーディーになり、業務効率が向上します。さらに、残業が減る一方でアウトプットは増えるので、人件費等のコスト削減にも貢献できるでしょう。最終的には、会社全体の業績アップにも繋がるのです。
多くの会社が社内コミュニケーションを円滑化しようと苦心しています。しかしながら、社内コミュニケーションに問題があると感じている企業は全体のおよそ8割にものぼります。特に、部署間のコミュニケーションに課題を抱えている企業は少なくありません。
「違う部署が何をしているのか知らない」「部署が違うと名前もわからない」などの思いを抱えながら働いている社員はたくさんいます。こうした状態が続くと、いざ部署同士で協力しなければいけない状況になっても、話がかみ合わずに仕事が遅れてしまうでしょう。実際、多くの社員がコミュニケーション不足は業務に悪影響を及ぼしやすいと感じています。
CCを多用したメールでの連絡増加も、コミュニケーション不足を招きがちです。CCを使うと、対面の報告を省くことができて確かに時間の削減にはなります。その半面、社員同士で対面する機会が失われ健全なコミュニケーションが機能しません。
とはいえ、急に「CCでメールを送ってはいけない」「違う部署同士で交流会を開こう」などの呼びかけを上層部がしても、社員は戸惑うだけでしょう。自然な形で社員間、部署間のコミュケーションが図れる対策を検討することが必要です。その為には、強制的な内容ではなく社員が自主的に接点を持てるような工夫を検討する必要があります。
日常的にコミュケーションを取りやすい対策のひとつとして、社内カフェを作るのは選択肢のひとつです。
社員がリラックスできる空間では自然に会話が弾み、部署間の壁も壊せます。こうした社内カフェの利用など、社員が交わる導線づくりは上司主導で行いましょう。
そもそも企業の規模が大きくなればなるほど上層部と一般社員との距離が開きやすい傾向が顕著になっていきます。役職や部署に関係なく、穏やかな時間を共有できるスペースはコミュニケーション不足改善に繋がります。
社内のレイアウトも、社内コミュニケーションでは大切な要素です。
例えば、部署間や役職ごとに壁や衝立を設置しているオフィスは少なくありません。仕切りがあると個々人が仕事に集中しやすいのは事実でしょう。しかし、あまりにも仕切りを強調しすぎると、近しい部署以外とは連帯感を持ちにくく、ますます疎遠になってしまいます。部署間は完全に壁で仕切ってしまうより、開放的なひとつの空間にすれば、コミュケーションの活性化に繋がります。
国内外を問わず、オープン志向のオフィス空間は多くの企業に広がっています。最初は社員の違和感を招く可能性はありますが、意義や目的をしっかりと説明して理解を得ましょう。
社員総会やキックオフなど会社の公式イベントはコミュニケーションを促せる絶好の機会です。
さまざまな部署だけでなく、全国の支店、工場などから普段は顔を合わせない社員たちが集まってくるため、お互いを認知し合えます。また、社内運動会や社員の誕生日祝い、社員旅行などを実施するのもコミュニケーション不足改善の定番です。
社内運動会は、役職者や一般社員に関係なく競技に参加するなどの工夫がポイントです。
同じ立場で一社員として参加することで、普段は上司や役員という立場に隔たりを感じていても、親近感を持ちやすくなります。むしろ、部下が上司に対して指令を下すなどの瞬間があれば心の距離を縮められるでしょう。
一方、社員の誕生日祝いは、月ごとに行うなど工夫します。
誕生日が近い社員をまとめてお祝いすれば、社員数が多くても続けることが可能です。ただし、大がかりなお祝いパーティーを開くかどうかはよく検討しましょう。プライベートな時間を会社の行事にあてることを敬遠する社員もいるからです。どうしても休日や勤務時間外にお祝いを行う場合は、短時間に収めると反感を招きにくくなります。
そして、社員旅行はあくまで「社員全員」で実施しましょう。仲のいい社員同士で目的地に行くケースもありますが、より連帯感を得やすいのは集団で行動するときです。プライベートの顔を知らない社員同士がコミュニケーションを取ることに社員旅行の意義はあります。
大きな企業になると、ひとつの社屋に全部署が入っているとは限りません。事業所が増えると、事業所間でのコミュニケーション不足が起こりやすくなり、企業ビジョンが浸透しにくい傾向も出てきます。そこで、社内コミュケーションの改善策として、社内報を利用してみましょう。
社内報のメリットはまず、「手に取りやすいこと」です。メールやLINEの連絡は見ずに終わってしまうケースも少なくありません。しかし、社内報はデスク周りや共用スペースに置くことで、社員はいつでも手に取れます。ここに、プル型の媒体であるWebと、プッシュ型の媒体である紙の違いが現れます。
また、社内カフェや食堂などに置けば、社内報を見ながらの共通の話題も期待できます。社内報に事業所や部署ごとの近況などを掲載すれば連体感や親近感を高めることにも役立つでしょう。
社員参加型企画を取り込むのも1つの方法です。社員にアンケートを取り、結果を社内報で報告します。
「ベテラン社員に聞いた整理整頓術」など、多くの社員が知りたがっている情報を載せると、読者の反応も大きいでしょう。アンケートで興味深い内容を答えてくれた社員をピックアップして掲載すれば、その人に話しかけるきっかけを生み出せます。
企業にとってコミュケーションを活性化させる施策は、業務の効率化やコスト削減に繋がります。その結果、企業を伸ばすことにもなるのです。会社としてのアイデンティティを確立し、文化を作り上げ、様々な価値観を持つ社員のモチベーションを高めると、会社の業績向上をバックアップできます。その為に、社内報などを用いて社員同士のコミュニケーションをサポートしましょう。
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