社内報のつくりかた
社内報を制作する上で、「読者アンケート」を参考にしている企業は多いかと思います。
単純にどれくらいの社員が読んでくれているのかという「社内報の浸透度」を計ったり、コンテンツの人気度から「社員が求める情報」を見極めたり、さまざまな側面で利用できます。また、数値化すると客観的に判断しやすいため、編集メンバーで方針や中身を議論する際に役立ちます。
しかし、この「数字」には注意しなければならない落とし穴があります。
今回は、読者データを見るときに私が気を付けていることをお伝えします。
例えば、アンケートの回答率が「全社員中50%」だったとします。これを多いと見るか、少ないと見るか。
「社員全員に読んでもらいたい!」と願う社内報担当者からすると、少なく感じるかもしれません。また、「全社員読む前提で作っているのだから、100%でないとおかしい」と言う役員の方もいるかもしれません。
しかし、ここで「50%は少ない」と判断するのは早急です。
もし、『社内報が社員に読まれない状態を打破したいと、改善の方向性を探るために初めてアンケートを取った』という状況だったらどうでしょう?もしくは『これまでの回答率は20%だったところ、リニューアルをした初号の回答率がこの数字だった』なら、30%のアップですよね。
また、母数も重要です。何千人という規模の企業と100名の企業では、50%の意味合いが変わってきます。
単純に数字の大きさだけで判断せず、調査の背景や比較の対象、調査対象数など、諸条件を加味した上で考えましょう。
アンケートで面白かった記事・面白くなかった記事を聞いている場合も多いと思います。 この意見は確かに、「社員が知りたい情報を提供する」という、社内報の重要な役割を果たすためには貴重な情報です。しかし、この結果に全て応えていけばいい、というものでもありません。
例えば、とあるコンテンツを「面白い」に選んだ人と「面白くない」に選んだ人が同数だったとします。ここで、このファクトだけで「面白くないと思う人が多いからこのコンテンツはやめよう」と判断するのはよくありません。
「面白い」に選ばれない記事も多くある中で、選んでいる人がある程度の数いるということは、結構刺さっているということです。そして、芸能人などが「人気が出るほど同じだけアンチも増える」とよく言われるように、両極端な意見は関心度の高さを表しています。
また、その企画を掲載した目的を振り返ることも大事です。例えば、自社の社風を変えていきたいと考えていて、その意識づけのための記事だとした場合、はじめはなかなか受け入れられないのは当然のことです。それを人気がないからといって止めてしまっては元も子もありません。この場合は、意志をもって発信し続けていくべきです。
このように、どのコンテンツを掲載するべきかを数字のみで判断してしまうと、「結局読んだ後に何も残らない」「マンネリに陥ってしまう」社内報を生み出してしまうことになりかねません。
時にはネガティブな反応もよしとする、勇気と覚悟が必要です。
いかがですか?みなさんは、アンケートデータをきちんと冷静に見ているでしょうか?
数字だけを追いがちだった方は、ぜひ次回は上記のような観点も入れて見てみて下さい。
(noco)
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