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社内報のつくりかた

ERの最終ゴール

2017.07.27

ERの最終ゴール

こんにちは。

6月の株主総会シーズンが終わりましたね。
弊社は、今年も昨年とほぼ同数である400名弱のご出席をいただき、10名の株主様から質問やご意見を頂戴しました。

個人的には、今回を含めこれまで15回以上は事務方を務めてきました。若かりし頃は、法定決議体として特殊で、細やかな配慮が必要なため、「大雑把な自分には不向きだなぁ」と思ったり、「たかが2時間/年1回のくせに、大勢を使って数ヶ月も準備させる会議って一体何だよ」と暴言を吐きそうになったことなどもありました。

ただ、毎回終わってみると、株主様からの貴重な声を聴くことができ、経営に緊張感と規律がもたらされることに意義を感じると同時に、準備においては社内外の多くの人たちとの繋がりが出来るので感謝の気持ちが残ります。

そういう点からも、なんだかんだ嫌いじゃないですね。この仕事^^
でも、短期間で濃密な作業を行うので年々体力勝負という感じになり、そこはちょっと・・・ですが(苦笑)

さ、本題に入りましょう!

戦略とは

今回からはテーマであるER戦略について、少しずつ具体的なお話しをしていきたいと思います。

まず、「ER戦略」という言葉について整理しておきたいと思います。
ERについては前回申し上げたとおり、「会社と社員、あるいは社員と社員によるコミュニケーション活動全般」を指します。要するに「社内で良い関係を構築するための活動」のことです。

また、「戦略」についてですが、「戦(いくさ)」と「略(はかりごと)」の言葉の組み合わせからもわかるとおり元来は軍事用語ですが、今では、政治、経済、ビジネスなど、あらゆる場面で広く一般的に使われています。「経営戦略」という言葉についても様々な定義がありますが、ここではまず(私の師の言葉を借りて)、「企業を取り巻く環境との関わりについて、企業を成功に導くために何をどのように行うかを示したもので、企業に関与する人たちの指針となり得るもの」(『経営戦略』淺羽茂 2000年)とします。

そして、これらを踏まえ、ER戦略については、「企業を取り巻く環境(=ステークホルダー)との関わりについて、企業を成功に導くために、会社と社員、あるいは社員と社員の良好な関係をどのように築いていくかを示したもので、ERに関与する人たち(=全社員)の指針となり得るもの」と、少々長いですが、一旦このように整理をさせていただき、話を進めてまいりたいと思います。  

良いER戦略の条件

私たちは、会社に属し、ERという職務を任された者である以上、より良い戦略を立てて、それをしっかりと実行していかなければなりません。

戦略自体の良し悪しについては、戦略論の世界的権威であるリチャード・P・ルメルトが、その著書『良い戦略 悪い戦略』(2011年、日本経済新聞出版社)において、こんなことを述べています。

「良い戦略は、十分な根拠に立脚したしっかりした基本構造を持っており、一貫した行動に直結する」ものであり、また「大事なことは、そこに至る論理や方法論が存在するかどうか」である。逆に、悪い戦略は「目標が多すぎる一方で、行動に結びつく方針が少なすぎるか、まったくない」としています。

ここでのポイントは、戦略の良いか悪いかの判断基準は、それが「行動につながるものかどうか」ということです。ちなみに、ルメルトは、もし行動につながっていないとしたら、それは戦略とは言わず、単なる願望、あるいはスローガンであると切り捨てています。

以上をまとめますと、「良いER戦略」とは「企業が、ステークホルダーとの関係において成功するために、どのようにERを推進していけば、全社員一丸となった行動に結びつけられるかについて、論理的で、妥当性の高い方策を示した指針」と考えることができます。

目標は、ステークホルダーとの関係性の中で成功を収めること。
そのために全社一丸となれるような行動をもたらすERを、ロジカルに、首尾よく進めていくこと。

少なくとも、私たち担当者は、こうした考えに基づいて戦略を策定していくことが望ましいと考えます。

ステークホルダー共通の利益

ER戦略の、理想的なフレームワークはわかりました。

次に、これを自社の状況に合致するように組み立てていかなければなりません。 まず、「ステークホルダーとの関係において成功する」という部分について考えてみましょう。
ここは、根本的で極めて重要です。

ステークホルダーとは、企業を取り巻く「利害関係者」のことです。
具体的には、「消費者・顧客」、「取引先」、「社員」、「株主・投資家」、「地域社会」、「地域環境」を表します。これらのほか、「競争社会」、「マスメディア」、「行政」、「NPO・NGO」、「国際社会」、「地球環境」などもあり、前者の一群をコアステークホルダー、後者をマルチステークホルダーなどと区分することもありますね。

いわずもがな、私たち企業は、社会の一員として存在する以上、これらのステークホルダーとの関係を大切にしなくてはなりません。ERに取り組んでいる、もしくはこれから取り組もうとしている皆さんの会社には、「営利企業なのだから利益獲得さえできればよい」という考えはないとは思いますが、一企業が独善的に成功することは、社会から求められていることではありません。

また、他のステークホルダーを差し置いて、例えば、株主との関係に重きを置きすぎて、稼いだ利益の全てを株主への配当金として還元してしまうように、どこかに偏重しすぎても、それはそれで色々と支障がありそうです。

では一体、これらのステークホルダーに共通する利益などあるのでしょうか?

最終ゴールは企業価値の向上

それはズバリ、「企業価値の向上」だと考えます。

ただ、この企業価値。
わかったようで、わからないような非常に厄介な言葉ですよね(汗)

教科書的には(といっても教科書自体がたくさんあるので、ある教科書によれば^^;)、企業価値とは、ごく簡単に言うと、「会社の値段」のことで、事業の価値と資産の価値とを合わせたものです。

事業の価値とは、事業が将来にわたって生み出していくキャッシュフローの合計を、現在の価値に換算し直したものです。それに、現在保有する資産などの価値を足し合わせて算出します。企業価値を上げていくための基本的な方策は、収益性を上げ、資産をより効率的に使い、財務状況を最適化すること、の3つです。

収益性を上げることについてステークホルダーの視点から考えれば、以下のようになります。

企業は事業を通じて、

まず、売上で「顧客」に報います。
また、仕入れにより「取引先」に報い、
次に「社員」には人件費で、さらに「銀行」には金利を払い、
そして、「国や地域」には税金を支払い、
そして余った利益のうちから、ようやく「株主」に配当される、あるいはフリーキャッシュフローが創出される。

こうした点から、収益性アップを通じた企業価値の向上は、ステークホルダーの共通の利益にもつながると考えられています。

また資産には、企業ブランドや、お客様、取引先とのネットワーク、技術やノウハウ、ビジネスモデルのようなバランスシート(貸借対照表)に表れない価値もあります。もちろん社員、すなわち人材(人財)もここに含まれます。企業は、保有するこれらの資産を有効に使いながら経営効率を上げていくことを、ステークホルダーから求められています。

ERの観点から申しますと、社員一人ひとりが、社内で良好な関係を構築し、その能力を最大限に発揮しながら働けるようにすること=資産の有効活用と考えれば、ERも立派な企業価値向上に向けた取り組みのひとつと解することができるわけです。

以上より、「企業価値の向上」をER戦略の最終ゴールに設定することは、合理的であり、納得性の高い戦略策定上の軸になりえると考えます。

もちろん、最終ゴールや目標は、何を実現したいのかによって異なります。ですので、一概にこうであるべきだなどとは申し上げるつもりもありません。ただ、何かをみんなでやり遂げようとする際、ロジカルで、妥当性が高い共通のゴールがあって然るべきだと考えますし、こうした考えに基づき、弊社では、最終ゴールを「企業価値の向上」に掲げ、ER活動を展開しています。

ERはステークホルダー全員の共通利益に結びついていると考え、みなさんもぜひ積極的にERを進めていきましょう!

今回も、お読みいただきありがとうございました。
次回も宜しくお願いいたします。

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