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社内報のつくりかた

働くスタイルから考える、社内報の役割の変化

はじめに

こんにちは!かわうそです。今回は、社内報の役割をちょっと大きな視点から考えてみたいと思います。

最近よく耳にすることが多くなった「働き方改革」や「ワークライフバランス」といった言葉。残業時間の短縮リモートワーク、最近では副業もOKなど、働くスタイルや環境もずいぶんと多様になってきました。そして正社員だけでなく、さまざまな雇用形態の人が増え、グローバルに事業を展開する会社では従業員の国籍も多岐にわたっています。会社によっては英語を公用語とし、社内でのコミュニケーションスタイルもずいぶん変化しているのではないでしょうか?

そんな会社を取り巻く環境の変化に対応しながら、会社としてのアイデンティやカルチャーをどのようにして社員間で共有すればよいのか、そして、経営目標を達成していくために、社内報にできることとは何かを一緒に考えてみませんか?

社内報はパラダイムシフトにどう対応すべきか?

p1昭和生まれ・平成社会人デビューの私ですが、新人の頃は上司や部長にあたる人は昭和の「企業戦士」世代の人たちばかり。会社で仕事をするとはどういうことか、昭和の価値観をベースに仕事を教えてもらったような気がします。この時代、1日の多くの時間を過ごす会社において、同じ部署の人や同僚はいわば第二の家族のようなものと考えている人が多く「みんなで頑張ってる感」がとても重視されていたと思います。「同じ釜の飯を食う」ことでの一体感。社員一丸となって経営課題を突破していくという感じでした。

一度会社に入れば「個」が多少犠牲になることがあっても、終身雇用制というシステムがうまく機能していた部分もあり、会社を信じて頑張ればいつか報われる・・・会社に守られているような安心感もあったわけです。今、その頃の社内報を見てみると、みんなニコニコ、和気藹々とした雰囲気の出来事やイベントが多く、想い出のアルバムを見ているような気持ちになります。

p2戦後の安定成長期を経た後、「失われた20年」と言われる1990年代後半から2010年代にかけて、日本経済はバブル崩壊後の不景気に、長い間苦しむことになります。この頃から派遣社員や契約社員などいわゆる「非正規雇用」というスタイルで働く人も増えてきました。正社員として会社に入社すると上司と仕事を選ぶことは、ほぼできません。会社でチャンスを待っている間に本当にやりたい仕事ができずに終わってしまうのではないかという不安と葛藤・・・。一定のスキルを持ち即戦力として活躍できる人は自身のキャリアパスを自分で設計し、働きたい職場や仕事を求めて転職をしたり、雇用形態にこだわらずに働く場所を選択する人も多くなりました。

働くスタイルの選択肢が増える一方で、新規採用を制限する会社も増え「就職氷河期」に突入し、正社員以外の雇用形態で働くことを強いられた人もいました。世界的にも9・11テロ事件、SARS、リーマンショックなど社会や経済の難局をどう乗り切るか、日本全体が悩みながら、もがきながら、社会としては少し萎縮した時代だったかもしれません。

p3これまでの時代を振り返る前置きが少し長くなってしまいましたが、現在管理職やマネジメント層についている世代は、上述のとおり多かれ少なかれ「昭和の価値観」をベースに育ち、失われた20年を経験している人達が多いと思います。企業においては中途採用で入社する社員も増え、その企業ならではの文化や価値感を共有していくことの難しさを感じているマネジメント層も多いと思います。また部下や人材の育成だけでなく、自分自身も最前線の現場で仕事をしているプレイングマネージャーも多いことでしょう。おそらく自分が「これまで正しいと教えられてきたこと、正しいと信じてきたこと」が時代の感覚にフィットしなくなってきた場面も多く、部門や部署のマネージャーとして「今」求められている最善最良の判断とは何か、悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

この20年間で働くことに対する価値観や働き方そのものが大きく変化し、まさしくパラダイムシフトが起こりつつあります。そんな時代だからこそ、会社のカルチャーや価値観を社員で共有するためのツールとして、社内報の重要性が増してきているといえます。では、現在進行中で起きているパラダイムシフトに適応するために、社内報をどんなふうに活用すればよいのか、具体的に考えてみたいと思います。

Mother typing on a computer with a baby in her lap 

p4働き方改革」というキーワードは新聞などのメディアで取り上げられる機会が多く、社内報でも特集やシリーズ企画を組んでいる会社も増えているのではないでしょうか?育児休暇あるいは介護休暇をとって家族と向き合う時間を増やしている人、残業時間を削減し、仕事の効率や生産性向上に取り組んでいる人、会社には出社せずに自宅などでリモートワークをしている人、定年退職後に嘱託社員としてもう一度会社に職場に復帰している人、さまざまな立場の人が企業の活動を支えています。

ある企業では、働くママ向けの社内報や社内コミュニケーションツールを立ち上げ、子育てをしながら仕事をするうえでの苦労や工夫などを、社員の実体験をもとに具体的に紹介しています。産休中・育休中で出社していない社員にも社内報を郵送。休職中も会社の最新情報や同じく子育てをしながら頑張っている同僚ママや先輩ママたちの様子に触れることで、復職にむけての不安が解消し、モチベーションアップにもつながります。

子育てだけではありません。介護休職や体調不良で通勤が難しい人、あるいはリモートワークで働いている人たちにとっては、物理的にも心理的にも会社と離れてしまうと、どうしても疎外感を感じてしまうものです。ある企業ではがんに罹患した社員の闘病手記を社内報に掲載し、社員全員が病気に対する理解を深めたり、健康管理への意識を高めることに役立てています。介護や健康の問題は取り扱いが難しいテーマではありますが、仕事と介護、健康とどう向き合うかは社員にとっても決して他人事ではなく、社内報で取り上げることで会社にどういった制度が望まれているのか、会社としてどんなサポートができるのかといった課題を共有できる良い機会にもなるはずです。休職することで発生する不安やストレスを軽減できるような役割を果たす社内報となるように工夫したいものです。

p5少子高齢化社会の到来で労働力人口の減少が見込まれるなか、多様な人材の確保・定着・育成は企業にとっても重要な課題のひとつです。日本のみならずグローバルなマーケットに挑戦するべく、海外に事業拠点を置く企業も増えています。またM&Aで海外企業を買収し、これまで全く異なる文化で働いてきた人が同じグループ傘下に入り組織が統合されることもあります。同じ企業で働いていても、さまざまな国籍の人、中途入社の人、派遣社員や契約社員など、企業を支える人材の多様化も進んでいます。現地法人と日本本社で価値観や方法論が共有できずに、同じグループ企業でありながら全く別のカルチャーや判断基準で仕事をしていて、コミュニケーションの大切さと難しさを感じている人も多いのではないでしょうか。

ある企業では各国ごとに発行していた社内報を統合し、企業文化の理解と融和に社内報を役立てているケースもあります。グローバルに事業を展開している会社では、国や地域ごとの特徴をいかしながら、組織をマネジメントしていく「ハイブリッド経営」に社内報をどう活かすかはダイバーシティを推進していくうえでも大切です。雇用形態の多様化、働くことへの価値観や働き方のスタイルも人それぞれです。さまざまなバックグラウンドをもつ社員の個性や、これまでの経験を自社で活かしてもらうために、相互理解と価値観を共有するためのツールとして社内報を活用することもできそうです。 

p6人それぞれに理想的な「仕事と生活の調和」をめざすワークライフバランス。今年プレミアムフライデーが導入されましたが、定着するにはまだまだ時間がかかりそうです。有給休暇や時差通勤などの制度があっても、取引先の営業時間にあわせて仕事をしなければならないなど、フレキシブルな働き方ができる制度があっても、実際に利用できる環境かどうかは別問題というケースも少なからずあると思います。 

少し前の話になりますが、2012年ロンドンオリンピック開催時、ロンドン市内の企業でリモートワークを積極的に導入し、ラッシュ時など交通機関の混雑集中を回避することに成功しました。東京でも2020年のオリンピックにむけて、首都圏の企業でこれまで以上にリモートワークが普及するかもしれません。その一方で、決まった業務時間に事業所に社員がまとまって出社することで生産性が向上する場合もあります。

働く場所・時間の分散と集中をどんなふうにマネジメントしていくかは経営課題のなかでも重要なテーマです。社内報で働き方の見直しについて成功事例などを紹介したり、人事部や総務部と協力して自社の働き方改革の内容をわかりやすく説明することによって、社員の意識を変えていくことができるかもしれません。これから先の10年、20年を見据えたうえで、どのような働き方が最も生産性がよく、その会社にとってフィットしているのか社内報を通して問題提起をしても良いと思います。

おわりに-社内報が会社に貢献できること

Group of Diverse Multiethnic People Teamwork

働き方や働く人が多様化する現在においては、会社だけでなくライフスタイル全体のなかで、会社で働くことをどう位置づけ、どうしたら仕事で最高のパフォーマンスを発揮できるかということがとても大切な問題です。

子育てや介護にしても、社員のプライバシーに配慮する必要がありデリケートな部分もあるので、従来はあまり社内報では取り上げられなかったテーマかもしれません。しかし同じ会社で働く社員が自分と同じような悩みや問題を抱えていること、人それぞれ工夫しながら仕事と両立させていることを知ることで、仕事のやり方や同僚との関係もより良いものに変わってくるはずです。ダイバーシティ…多様性の社会では、人それぞれの違いを理解して受け入れる「寛容さ」が重要とされています。

実際に子育てをしたり、介護をしながら仕事をするうえでの悩みや困難、リモートワークならではの不安などを知って理解することで、周りの人たちも仕事のサポートがしやすくなったり、部署全体で仕事を効率的に進められるようになるかもしれません。そういったマインドを醸成していくのも社内報の役割のひとつで、社内報の作り方や内容もパラダイムシフトに対応していく必要がありそうです。さまざまな価値観を持つ社員のモチベーションを高めることで、会社の業績向上をバックアップする・・・そんな強い会社をつくる社内報を目指していきましょう。

 

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