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WEB社内報

社内報のつくりかた

社外にも出しちゃえ!

2012年の年末近く、それは突然きた。
社長から、「うちの社内報を、社外向けにも出しちゃえば?作業は内製で!」
と、何の前触れもなく、満面の笑みでドキドキの提案があった。 その笑顔から察するに、もはや提案ではなく明確な指示だと私は理解した。

まずは何をどうしたらよいのかよりも先に、「このときを、お待ちしておりました」と、この口が言ってしまったのを覚えている。 そう言ってしまった以上、もう後戻りはできない。
しかしそれと同時に、社長が我が社の社内報を認めてくれているということか。 勝手にそう考えて、早速準備に入ることにした。正直、迷いは何もなかった。

しかし当時はWebで検索しても、紙媒体の社内報はともかく、Web媒体の社内報を世の中に公開している会社などは全く見つからない。
まず私がやるべきことは、手探り状態でゼロからシナリオ(進め方)を考え、そして掲載手法を決めること。まずは何となく必要そうな作業を箇条書きにしてみたものの、それが正しいのかもわからない。
でも、初めてのことにトライしたり、形のないものを作りあげていく作業は、とても楽しくワクワクするものだ。

実はこの施策、社内報のアクセスアップにも繋がることも、ピンときている人がいるだろうか。社内で働く人が知らない(読んでいない)情報を社外に出すということは、シャレにならん! のだ。ゆえに、我が社の場合は、発行時のメールや案内にもその旨を必ず記載することで、アクセスアップにも繋がった。

話を元にもどすと、作業を進めていくうえで、解決すべき課題が大きく分けて3つあることがわかった。次がそうだ。

【課題1:選別作業】

通常、社内報とは社内限定で発行されるもの。必要な情報を必要な量だけ、キッチリと掲載。そして可能な限り、風通し良い社風を感じてもらうべく、旬の施策・企画などを始め、もろもろの社内の情報を、積極的に掲載することを心がけて作られているもの。逆をいえば、世の中に出すことが難しいコンテンツもたくさんあって当然だ。コーナーによって、社外に向け掲載する・掲載しないという選別をすることが必要になってくる。

【課題1の解決のしかた】 

この選別作業に関しては、長年社員を続けていればそう難しい話ではない。リリース前の新しい施策に関わることや、第三者と連携して進めているプロジェクト、社員のお子さまや関係各社の社員の顔と個人情報、そして一番の肝の部分の経営会議のおハナシなどは、掲載しないこととした。判断に悩むコンテンツに関しては、担当者と相談することで、掲載の可否が明確になる。
ただし、この選別カテゴリーはどこの会社でも共通するとも限らないので、これから社外に発行することを考えている担当者がいれば、積極的に周りの人を巻き込んで相談すべし、と思う。

【課題2:個人情報の保護】

社内報には、社員の顔写真を始め、個人情報がたくさん含まれている。つまり、グローバルサーバーにファイルを置き、社外の誰にでも見えるように発行するということは、社員の個人情報が勝手に拡散され、あらぬ方向に行ってしまう可能性が十分に考えられるということ。
万が一、何かがあった場合は、自力ではどうすることもできない領域ゆえに、絶対にこの「万が一」があってはならないのだ。
要するに、社内報を社外向けに発行するということは、私の仕事に「社員の個人情報を保護すること」が、追加されるということ。これは今までに経験したことがない仕事のひとつだった。

【課題2の解決のしかた】

まずは自社の共有Webサーバーを1台調達。さて、そこからどうするか。社内版と同様にしてhtml形式のままでファイルをサーバーにアップしてしまうと、文章はもちろん、掲載している全ての写真もそのまま拡散されてしまう可能性があるのでNG。とはいえイラストレーターで全ての文字をデザイン化し、美しいPDFにして発行するのには、時間がかかりすぎ、とても効率的とはいえない。しかも今回の企画は「内製」で進めることが前提。
そこで、金も手間もかけない手法として考えついたのが、現状のhtmlから掲載不可情報を排除し、いったんキャプチャー。それをPDF化すると同時に、そこにファイル改編を許さないスクリプトを埋め込むという方法。少しの期間これでトライして様子をみることにした。今のところ特に問題もなくここに至っている。
※この仕組みの詳細は、セキュリティ上これ以上解説できないことを理解してほしい。

【課題3:全社の理解】

全社員に向けて、社外向けに発行することを説明し、それを理解し納得してもらうということが必須になる。全員が納得しないままには発行できない。前例がないものを、説明もなく進めてしまうのはありえない話。それは社員に不安を抱かせるばかりでなく、やれ肖像権の侵害だ、やれ個人情報は保護されるべきだ、との問い合わせ対応で仕事どころではなくなる。しかも正社員のみならず、契約社員、派遣社員、委託社員もいることから、それぞれの派遣元・委託先の会社への説明と、この施策に対しての理解を得ることが必要だった。発行のための準備は色々とあるものの、この部分のハードルが一番高かったように記憶している。

【課題3の解決のしかた】

まずは、派遣会社と委託会社向けの企画説明書を作り、約50社の関係各社にメールにて連絡。必要があれば個別に話をし、最終的には全社に理解をしてもらった。 次は経営会議に付議して承認をもらうこと。ここはそんなに問題にはならなかった。

さて、問題はここから先だ。一番手ごわいのが全社員の納得と理解を得ること。
それゆえに、少し余裕をもったスケジュール設定をし、実際の発行時期の3ヶ月前から、社内用の掲示板にて周知した。1回の周知で全員が読むとは限らないので、全く同じものを3回も掲載した。それをするたびに、個人情報を心配する社員から、問い合わせのメールが後を絶たず、その対応に追われる日々が続いた。
それでも根気よく対応したが、ある日メールでの対応は限界があると感じた私は、対面で話をすることを選択した。その理由はひとつ。全社員の不安や心配を払拭しなくては発行できないからだ。最初の予想通りに、社内の理解を得るのには約3ヶ月かかったことを申し上げておく。

社員への説明で、今でも記憶に残っているやり取りがある。
とある、おエラい部長さんが、何度も私のところにきて 「あのさ、俺ら自分たちの肖像権を持っているわけよ、言っている意味わかる? それでもあんたやるの?」と、毎回同じことをネチネチ言ってきた。
二言目には「何だその態度は!」と。
しかも、私の周りに誰もいない時間を狙って。
おそらく、この手の人間はどこの会社にもいることだろう。
しかし、私も企画を決行するために、このネチネチ君に毎回付き合っている暇もなく、ある日、ガツンと一発こちらから言って、終わりにした。

え? 何を言ったかって? それは当たり前のことを言っただけ。

 

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